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2003.12.31

中学受験の心構え・実況中継

 これは私が5年生の終わりや6年生の最初の授業で使うトークです。別にどうってことはないのですが、毎年言っているのでここに実況中継で留めておこうと思います。わりと有名受験塾の5年生(もうすぐ6年生)に話していると思ってください。

 

 この日は、一度授業でやったはずの四字熟語がまるでできずに説教から入ってます。

 

「君らな、何で一度やったことを覚えてへんの。たったの1ヶ月前の話やろ?覚えてへんのはな、君らが受験が何かようわかってへん証拠や。今から“受験”について話すからよく聴いとき」

 

 <黒板に変な怪物の絵を左端に書く。一番右に人を書く。生徒は絵が下手だとか言ってウケている>

 

「あのな、受験ってドラクエとかファイナルファンタジーみたいなゲームによく似てるねん。」

 

 <男子はゲームネタに速攻食いつく。こびるつもりは無いが、聴かせるのもテクニックだと思う>

 

「(黒板の左を指して)ここにおるのは大ボスや。要は『志望校の入試』やな。コイツを倒した先に『合格』の扉が待ってんねん。で、君らがおるのはずっと離れたココ(と人を指す)。でもいきなり大ボスと戦ったら、どうやろ?君らの中で、今この場で入試問題解いて受かる自信のある子、手を挙げて」

 

生徒「ぜったい無理!」

 

「ま、そりゃそうやな。でも不思議やと思わへん?1年後にはココ(大ボスの前)におるねんで。その間、何をするかわかるか?こういうゲームでは小さい敵を倒して、アイテムや経験値をつけて強くなっていくよな。それと一緒。」

 

 <黒板に小さい怪物をたくさん書く>

 

「これが『植木算』っていう怪物で、これが『四字熟語』っていう怪物。これが『地図の見方』でこれが『水溶液』…」

 

 <怪物に名前をつけていく>

 

「このちっちゃい怪物を君らは毎日倒して行ってるんやろ。倒したらどうなる?自分の力になるやん。アイテムもがんがん増えていくねんで~」

 

 <人の絵に刀とか色んな武器を描きまくる。生徒は大ウケ>

 

「ほんなら、倒さへんかったらどうなるの?…この辺にいっぱいおって、君らのことを受験の時に邪魔してやろうって、いつまでもついてくるねんで」

 

 <人の絵の後ろに、ちっちゃな怪物をたくさん描く>

 

「今日は小テストやからええけど、これが入試やったらどうする?今日80点取れへんかった子は、みんな背中に『四字熟語』って敵をくっつけてるんや。他に、オレには、私には『絶対このオバケがついてる!』と思うのあるか?科目は何でもええから言ってみ」

 

生徒「おれ速さの計算!」「じゃがいものところ!」「図形わからへん!」「漢字いっぱい!」

 

 <嬉々として手を挙げる。喜ぶところじゃないんだが>

 

「よっしゃ、背中にそんだけゾロゾロくっつけてるんやな。じゃぁ、今倒さんとおったらこの後もどんどん出てくるねんで。6年生になったらもっと手ごわい化け物が出てくるやんか。(大ボスの前に人を書いて、後ろに化け物をたくさん書く)こんなに苦手なもんをくっつけた状態で戦ったって、絶対負けるよな。ほな、どうするの?」

 

生徒「今のうちに倒す!」

 

「そうやね。でもどんな敵を倒さずにくっつけてるのか、わからへんことがあるよね。その時に、中ボスとの戦いが役に立つねん」

 

<黒板に中ぐらいの化け物を書く>

 

生徒「あ、模擬試験や!」

 

「その通り!大ボスと似たやつと戦う。この試合は負けてもええねん。大事なのは負けた時に『どのアイテムが足りなかったから』負けたのかをちゃんと確かめて、次は倒せるように小さい敵をしっかり倒しに行くこと…要するに、苦手なところを復習するねんな。ちゃんとやってるか?」

 

<何となくニヤニヤする子供たち>

 

「あんな、暗記したり問題解いたりして“苦手”を倒すのは君らの仕事やんか。先生とか塾とかって攻略本みたいなものやねん。ハッキリ言うけど、攻略本は書いてる順番とか書きかたが違うだけでほとんど一緒。大ボスに勝つのに『どこの塾に行ってる』はあんまり関係ないねん。自分で行きたい!と思った学校に入るために、小さい敵とコツコツ戦って、何度も中ボスで練習して、また足りないアイテムを探して身につけるんやろ。ほんで『よっしゃ、これで大ボスの前に出ても大丈夫!』と思って受けたいやん。でも、『言われたから仕方なく』勉強しててアイテムが増えると思うか?その場だけちょろっとわかったふりをしに来てるんやったら、金と時間のムダやから塾辞めたほうがいいよ」

 

生徒「先生がそんなこと言ってええのー」

 

「だって、ホンマのことやんか。おかんに言われて仕方なくここに座って、アホみたいやん。みんな冬休みやろ?何で朝から塾なんか来てるの。ボーっと座ってて、帰るときにゾロゾロこんな化け物くっつけて帰ってたらただのアホやんか。」

 

 <笑>

 

「ほんなら、今日はこの四字熟語と今から教える『書き抜き問題の解き方』をちゃんと倒して帰ってや~。はい、テキスト開けて!」

 

 ま、こうやって授業に入っていくわけです。困ったクラスの時にこのネタを使うんですがかなり効果があります。次の模試から偏差値を20ぐらい上げた子もたくさんいました。やる気にさせても、所詮子供なんで一過性なんですが、同じうるさく言うにしても抽象的な「がんばれ!」とか言う無意味な説教はしたくないです。

 

 教師の方に口頭で応用していただくのはいいんですが、一応「2003 クロネコとと. ALL RIGHTS RESERVED.」を主張しておきます(笑)。生徒は生き物なんで、他にも「やる気にさせるトーク」のバラエティーはたくさんあります。また折を見て、実況中継を書き留めておこうと思います。

 

 

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コメント

 いただきました!しっかり使わさせてもらいます!
同業者のtakuといいます。初めまして。

私立中受験指導をしていたのは以前のことで異動で
今は個別やってます。また覗かせてください。では。
(子供ではない私でも勉強しなきゃと思いました。
というか僕が子供に近いからかもしれませんが。。
本当にうまく子供の目線まで落とした素晴らしいトーク
であると思います!)

投稿: taku | 2004.01.26 00:57

takuさん

 同業者の方なんですね!コメントありがとうございます。個別指導も色々言いたいこともあります。ホント増えましたよね。

 もうベテランと呼ばれていますが、まだまだ試行錯誤をしています。日々発見ですね。

 また、何かご意見などあったらお寄せ下さい(^o^)丿

投稿: クロネコとと | 2004.01.28 04:59

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