国語読解問題・線引きのツボ(1)
教室で問題演習をやらせる時。必ず「目だけで読むな!手を動かせ!」と言い続けます。特に論説文だと目で追っているだけでは、同じところをぐるぐるしているだけのことがあり、頭に入りにくい。だから「最初はべた引きでいいから、読んでいるところに線を引きなさい」と言います。これが第一段階です。最初から「要点に引け」なんて無理。まずは読んでいる途中で設問を見ても帰ってこられるように、ただ線を引くのです。
それから、大事なのは文章に線を引くこと以上に「設問に線を引く」ことです。「次の文章を読んで後の問いに答えなさい。句読点は指示の無い限り一字に数える」と、文章が始まる前に書かれている指示もちゃんとチェックです。線を引くのは「句読点~一字に数える」の辺りです。
そして一つ一つの設問にも、答える際にミスしやすい個所には線を引く癖をつけます。
【線を引くところ】
・字数
(~字以内/~字ちょうど/~字程度/~字以上~字以内など)
・選ぶ範囲
(『~』の中の文から/※より後の部分から/~段落からなど)
・解答の個数
(すべて/1つ/2つ/あるだけなど)
・答え方
(ひらがなで/漢字で/文中の語を使って/具体的になど)
・適切なもの/適切でないもののどちらを選ぶのか
その他、設問によってさまざまあります。この「設問のチェック」を癖付けておけば、ケアレスミスが格段に減ります。まだこういう癖のついてないクラスで、よく使うのが平成何年か忘れましたが同志社中学の入試問題です。
文章を必死で解いた最後の問題に、漢字のパズルみたいなのがあります。がんばって解くと四字熟語ができます。彼らは意気揚揚とその四字熟語を書きます。「最後の問題だ!」という気の緩みと、パズルが解けた快感でかなりの子どもがさらっと答えを「漢字」で書きます。
この問題の指示は「できた四字熟語をひらがなで書きなさい」なのです。同志社はS気質じゃないかと思いますが、この落とし穴に子どもはバカスカはまります。
5年生の段階でこの落とし穴にハメておくと、子どもたちは「ケアレスミスの怖さ」を知ります。私も大げさに脅します。同志社は1科目40点満点で1点の配点が大きく、過去に1点差で泣いた生徒を何人か知っています(同志社は得点が送られてきます)。そんな話をしながら、「せっかくこの問題を苦労して解いて、『ひらがなで』の一言を読み落とすだけで落ちるかもしれへんねんで。そんなのむっちゃ悔しいやんか」とミスの怖さを解きます。
次からは、設問のポイントに線を引くようになります。頭から「線を引け」とただ言うのではなく、わざと失敗体験をさせるのも一つの方法だと思います。
さて、「手を動かしながら読む」と「設問に線を引く」ができるようになれば、次の段階に進みます。長くなりそうなのでまた次にでも書いてみたいと思います。
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コメント
はじめまして。
いつも参考にさせて頂いてます。
今日はTBさせて頂きました。
・・・実は2本送ってしまいまして、申し訳ありませんが1本は削除しちゃってください。
それでは、今後とも宜しくお願いします。
投稿: まゅ | 2004.05.27 23:57
一つ削除しておきました。
ご紹介ありがとうございます(^o^)丿
今日(2)を書きましたので、ちょっと長めですが参考になれば幸いです。
投稿: とと | 2004.05.29 01:38