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2004.08.13

消去法で解く!

 今日は久々に、国語の問題を解くテクニックの一つを解説してみようと思います。

 私は予備校でセンター試験の現代文を教えていたこともあり、「選択問題だけ」1年間教えていたような時期があります。特に相手が「京大・阪大理系クラス」だったため、理系の子にわかる教え方を心がけていました。また、問題作成も数多くやっていますので選択問題を作る過程や出題者の心理もよくわかっています。

 出題者は最初に「正解の選択肢」を作ります(そうでない人もいるかもしれませんが)。それを軸にして、ずらしたりウソを混ぜたりしながら引っかかりそうな選択肢を作っていきます。

 出された方にとって選択問題は「選択肢の読解力」にかかっています。選択肢を一つずつ読み込み、決定的なミスを見つけては消していく作業です。

 【選択問題のコツ】

まず設問と選択肢に線を引きながらよく読む!

 ◆消す選択肢
  ・アホ選択肢…どう考えてもマヌケなことが書いてある選択肢。
  ・ウソ選択肢…99%合っていても、1%でも文章の内容に反することが書いてある選択肢。
  ・大げさ選択肢…「絶対」「~だけ」「必ず」などがついていて言い切ってしまっている選択肢。

  「ウソ選択肢」は不注意な子どもがぱっと見で引っかかります。「大げさ選択肢」は合っているように見えるのですが、「文中ではそこまで言い切ってへんで」と確認して消します。

 この後で残った選択肢。特に決定的なミスは見つからない。文中には一応書いてある。または深読みすればそうも受け取れる。ここで迷ってハズレをつかむ、悔しい経験をした人も多いでしょう。

 仮に、ウとエが残ったとします。迷います。この時は質問とウ、エにそれぞれ会話をさせます。質問を心の中で読み、ウの選択肢で返事してみる。次はエの選択肢で返事をする。これで会話がスムーズに成立している方がわかれば解答にします。

 しかし、これでもまだ迷う。その時は「いかに主題に近いか」という観点で天秤にかけます。より作者の言いたいこと、この問題で明らかにしたがっていることに近いのはウかエか。ここで検証して出した答えは、信じるしかありません。基本的に設問をよく読んで消去法と文中に戻っての検証、質問との会話を通して選んだ答えはなかなか間違えません。

 それでも間違いをするのには理由があります。

 入試問題の選択問題は「悪問」ができやすい。特に小説にその傾向があり、センター試験でもよく悩まされました。実際に、事後に問題検証をすると専門家からクレームがついているものもあります。こういうのは実際に生徒に間違えてもらわないと、出題者がわからないことが原因の一つです。もちろん、そのためにきちんとした試験や教材にはチェック担当者がいるのですが、残念ながら「悪問」は確かに存在する。そう割り切っておきます。

 私はいつも、選択問題でこの手の悪問に当たった時には以下のように処理します。

「よっしゃ、今から選んだ答えで正直に手ぇ挙げてな。間違えてても絶対に笑わへんから、正直に挙げてや。ハイ、アを選んだ人~…3人やな。イを選んだ人~…これはおらんな、よしよし。ウを選んだ人~…半分くらいかな。エの人~これもウと同じぐらいやね、はいありがとう。」

 こうやって全部の選択肢に手を挙げさせます。

「アを選んだ人はな、きっと『~』に釣られたんちゃうかなー」

 …などと言いながら、まず明らかに消せる選択肢を解説していきます。手を挙げた子が傷つかないように、フォローを入れながら読み落としを指摘します。そして、同じぐらい手が挙がったウとエ。

「ウとエな。ほとんど半分に意見が分かれたやろ。これはな、間違えてもいい。2人に1人しか合わない問題やから、あんまり勝負問題にはならない。合ってた人はラッキー、っていうぐらいのこと。一応答えはウやねんけど、なんでそうなるかは一応解説するな。でもこれは出す方が悪いわー」

 こうやってウとエの違いを分析しながら、正解の根拠を示します。ひどい悪問だとこれが解説に大変苦労することがありますが、そういう時は作った人をアホ呼ばわりして終わります(笑)。

 入試は6割取れればいい。国語を勝負教科にするなら8割を目指す。(もちろんケース・バイ・ケースですが)選択問題で7~8割の人が合っている問題を落とすのは痛いけれど、自分が激しく迷う問題はみんなも迷っていると考えてさっさと見切りをつけるのも入試問題をこなすコツです。

 子どもは正解らしい選択肢を見つけた瞬間に飛びつく傾向があるので、おっちょこちょいな子にはとにかく消去法で万全を期す訓練をさせます。そういう子には「他の選択肢が間違っている証拠を出せ!」とよく叱っています。

 余談ですが、予備校の授業は苦手でした。京大・阪大コースなんて私より偏差値の高い生徒ばかりですよ。教室に落ちていた数学の問題を見て、ぞっとしたものです(笑)。

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コメント

私も同じ国語を指導しています。解き方を教えたりすることが
何へ結びつくのか?ある一定の周期で悩んでします。
塾はどこへ行くのだろうか?公教育を凌駕したい。
そんな思いだけがからまわりする。
クロネコさんはどこへ向かおうとしているのですか?

投稿: I have nothing | 2004.08.16 11:11

はじめまして。(同じコメント投稿が十件以上あったのは、何かのトラブルでしょうか?)

私が考えているのは「受験国語の指導もやり方次第で国語・情操教育として十分な価値がある」という考え方です。(バックナンバーを読んでいただければその内容で書いたものがあります)

同時に、公教育が真の意味で強くなれば(つまり経済格差=学力格差にならない仕組みができる)いいと願ってもいます。

現在はどの立場でも無い(どちらかと言えば塾寄りですが)ので、自分なりのスタンスで教育を捉えていますし、無料で提供できて家庭で役立つノウハウをここに書いたり、イベント授業という形で要望に応えている状態です。

教育関連の方や塾関連の方から反論や批判、揚げ足取りもいただきますが、私のできる範囲のことをマイペースでやっています。

自分の教え方や考え方が100%で絶対とは思っていません。教師にも個性はあるし、教え方も理論もそれぞれの生徒に合う合わないがあるので、あくまで参考にしていただければ幸いです。でも自分のBlogなんで、好きなことを書く権利はあると思っています。

思いつめるとキリが無いのですが、受験が無くならない以上は塾の仕事も無くなりません。小学校のカリキュラムで受験は突破できないので、塾教師にはやるべき仕事があります。

私がいつも言っていたのは「悪いけど、土俵に上がった時点で受験はせなあかん。受験が無くなったらええなーと思うけど、先生が文部大臣にでもならへんかぎり無理。じゃあ、どうせやるならめっちゃ賢くなろう。楽しくやろう!後悔する受験だけはせんとこな!」という言葉です。

長くなりましたが、これが私の今の答えです。

投稿: とと | 2004.08.16 23:50

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受信: 2004.09.09 19:38

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