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2004.10.30

俳句授業・実況中継(6)~切れ字・句切れ

 それでは今日で最後の俳句実況シリーズ…と思ったら、また長くなったので2回一気に掲載します。この日は授業の最初に季語のテストをやって答え合わせもしています。

 

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「季語以外にも俳句には大事なルールがあるから、黒板書いてな」

 

 

-《板書》--------------

 

 切れ字

 

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 「…小学生はこれ大好きやね。すぐに『痛い』とか『イボ痔』とか『ボラギノール』とか言いだす(笑)」

 

犬伏「『ち』に点をつけて書くほうやろ!」

 

 「お前しょうもないこと知っとんな(笑) こうか?(黒板に『ぢ』と書く)…まあ、これ言いだすと、君らせっかく教えたこと忘れてこのことしか覚えてへんから、今は取り合えずこの『ぢ』は忘れよな。ほんなら、次の俳句を2行くらい開けて写してや」

 

-《板書》--------------

 

古池や 蛙とびこむ 水の音

 

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「写したか?ちょっと季語の復習しよか。これは松尾芭蕉のおっさんが書いた句やけど、この句の季語は何や、北條」

 

北條「蛙だから…!」

 

「せやな、『かえる』って読んだら芭蕉のおっさん泣くで。『かわず』って読んであげてな。さて、芭蕉のおっさんがこの俳句の中で一番読んでる人に伝えたかった言葉ってどれやと思う?」

 

「水の音」「蛙!」「古池!」

 

「な、わかりにくいやろ。ここで『切れ字』が大活躍するねん。『古池や』の『や』に丸してみ。こいつが『切れ字』や。『切れ字』ってのは『ここで俳句がいったん切れる字』という意味。だから、芭蕉のおっさんは『ここで切って読んでくれ~』って言うてんねん。だから『古池や』まで読んだらピタッと止まる! ここで切ってな、『古池』を頭ん中でイメージしてみよう。緑いろしてて…周りの石にコケとかついてて…どろーんとしてて…」

 

(みんな考えている)

 

「そこでな、『蛙とびこむ水の音』ってぱたぱたっと続けて読んでごらん。蛙のとびこむ音が聞こえる気がせえへん?」

 

「なんとなくわかる~」

 

「蛙のとびこむような音が聞こえるってことは、どういうことなんや、山中」

 

山中「すっごい静か」

 

「そうそう、そういうことやね。芭蕉のおっさんは『古池の静かさ』に感動してこの俳句作ったんやろね。という訳で、『切れ字』は『感動の中心』を表すために使われる。入試では『切れ字はどれ?』と聞かれるか、『作者の感動の中心はどの言葉?』って聞いてくるから、それも覚えといてな」

 

-《板書》--------------

 

切れ字 『ぞ・や・かな・けり』
   ●この字がついている言葉が「作者の感動の中心」
   ●この字がついているところが俳句の「句切れ」になる

 

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「もし、この俳句が『古池に 蛙とびこむ 水の音かな』やったら、最後に『かな』がついてるな。芭蕉のおっさんは何に感動したんやろ、井上」

 

井上「『水の音』に感動した」

 

「その通り!『あー今の水の音、最高!』という感動で作った俳句に読めるな。人間の作るもんやから絶対ルールではないけれど、入試に出るのは『切れ字のついた言葉が感動の中心』と覚えておいたらええよ。それから切れ字の種類『ぞ・や・かな・けり』をしっかり覚えよう。これ以外にもあるんやけど、まずはこれをしっかり覚えてちょうだい。それから、今出てきた『句切れ』って何か説明するしな」

 

 

-《板書》--------------

 

※さっき書いた松尾芭蕉の句に書き加える

 

初句      二句     結句
古池や /蛙とびこむ/ 水の音

 

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 「俳句の『5・7・5』にはそれぞれ名前がついてるねん。最初の5音を『一句』と言わずに『初句』。次の7音を二句と言うのはいいとして、最後の5音を『三句』と言わずに結びの句やから『結句』というのがポイント。この句は初句に切れ字がおるから『初句切れ』という」

 

-《板書》--------------

 

★句切れの種類
   
   ●初句切れ…初句の最後に切れ字
   ●二句切れ…二句の最後に切れ字
   ●句切れなし…句の最後に切れ字があるか、全く切れ字がないもの
   
   ●中間切れ…句の途中に切れ字が入ったもの
     例:万緑の 中や吾子の歯 生え初むる

 

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 「結句切れ、っていうのはないんやね。最後やからわざわざ言わない。『句切れなし』覚えてちょうだい。途中で切れてるから『句切れ』って言うんやね。それから『中間切れ』。例のこの俳句を見てや。『ばんりょくの』『なかやあこのは』『はえそむる』…はい、この俳句の切れ字はどれや三宅」

 

三宅「『や』しかないから『や』?」

 

「その通り!でもこの切れ字、変なところにあるよね。二句の途中!句の途中で切れてるから『中間切れ』って言うねん。めったに出ないし、この俳句が代表やから覚えといてな。」

 

「さぁ、とりあえず俳句の知識は教えた。でも、大事なのはここからやしな。さっきの『古池や…』の句でやったみたいに作者の感動したツボを見つけながら、頭の中に映像が出てくるように俳句を読もう。たくさん問題をやればできるようになるからね。じゃあ、テキスト開いて問題やってみようか」

 

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ここで、問題演習に入っていきます。よく出るタイプの問題だけ、次の日記に続けます。

 

 

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