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2005.10.31

大人と子どもを教える理由。

 私は国語を塾で教えていますが、ビジネスセミナーの講師も行っています。その中で、いつも思うことがあります。たとえば「ビジネスアイデア発想法」や「ビジネスブログ活用法」などのセミナーを開くと、自腹で参加してくれているわけですから、会場がすでに「期待感」に満ちています。「さー元は取らせてくれるんだろうな」という貪欲なまでの意欲を感じる。

 

 ところが銀行系や大手セミナー会社で開くセミナーは法人が契約しているため、上司が「あいつを行かせよう」と決めて、部下を送り込んできます。しかも朝から夕方までの1日ぎっしりセミナーのことが多いので「会場をあっためる」のに時間がかかります。会場に入るとOLやサラリーマンが「あーあ今日は気の重い研修だよ」と友人にメールでも打っているのか、携帯を眺めて下を向いています。

 

 しかし、私にとっては慣れた空気です。子どもはほとんど「あーあ今日は1日冬休み講習だよ…」とイヤイヤ塾に来ます。そのダレた空気を引き締め、やる気にさせ、「勉強は楽しい!」と思わせて帰らせる。これが私の10年やってきた仕事です。そのノウハウを応用してモチベーションを上げるのですが、正直なところ大人相手の方が子どもより難しい。それぞれ今まで生きてきたプライドや「やり方」がある程度は確立しているからです。

 

 ですから、ビジネスセミナーでは出席者からも学ぶ仕組みを取り入れます。相互に意見交換をしたり、生の経験を聞いたり。そうすることで各自が自分の経験の上に、私の講座内容を重ねて応用してもらいたいと思っています。初心者と、基礎知識や経験がある相手への授業は全く異なるのです。

 

 ただ露骨に揚げ足取りしかしない人や、場の空気が読めずにディスカッションをぶち壊す人もいます。子どもであれば個人指導で修正できますが、「素直になれない」大人の教育ほど手強いものはありません。子どもは親を見て育ちます。「素直に学ぶ」親の子は同じ性質を持つことが多い。親が塾の方針に難癖をつけるのを聴いている子どもは、まず「教師や塾を疑う」ところからスタートしてしまいます。これでは普通の子より吸収が定着が遅くなる。そして親は結果が出ないのに苛立ち、ますます塾や教師の欠点をあげつらう。子どもはそれを聴いて、自分の努力や理解の不足を教師のせいにする…という悪循環に陥るのです。

 

 わからなければわかるまで質問すればいい。
 不安なら、疑問をぶつければいい。
 ただ素直になるだけでいい。

 

 何かを学ぶ時、私自身も忘れないでいようと思う態度です。そして相手を素直にさせるのも、教師の能力の一つだと考えます。そのために私は対象を問わず「教える機会」に全力投球しています。

 

 たまに私が教育だけでなくビジネスセミナーをやっていることを批判的に言う人(往々にして教師です)がいるのですが、私が教えることは誰にでも同じです。
 頭を使え、自分の力を信じろ、タフに生きろ、と。

 

 ただその手段が受験国語であったりビジネスのノウハウだったりするだけです。「あなたは教育だけをやっていないから、教育を語るのに価しない」と言われても、私は今のスタンスを崩すつもりはありません。学校を出た先にあるのは社会です。そこで必要なのは、やりがいのある仕事を見つけて食べていく力。そして会社やビジネスの世界で成果を出す力です。

 

 人は生きる力を得るために、一生学び続けるものだと思っています。その時「学び方」と「諦めないタフさ」を身につけている人が強い。
 国語力はその根っこになります。

 

 正直な話、国語力の無い大人はなかなか結果を出しにくいので、子どものうちの教育は大事だと痛感することが多いです。ビジネスマン向けの速読講座は大入りらしいですが、私はじっくり読解力と論理力を鍛える大人向けの講座の必要性を感じます。論説文+記述問題を解く訓練をすることで、新聞やビジネス書はサラサラと読めるようになるはずです。

 

 「教育」「学び」は子どもだけの特権ではないのです。
 大人こそ、楽しみましょう!
 

 

 

 

 【最新のビジネスセミナー】

 

 11/4(金) 豊中商工会議所
 「女性社員サバイバル術」 ~会社が手放したくない人材になる! 起業ブームにあえて「待った!」―女性社員が積極的に会社で生き残るスキルや発想法を1日で学びます。社員のモチベーションアップにも活用できる、女性限定のセミナーです。

 

※私自身が企業の中で管理職になり、退職後に起業して「あー会社辞めるんじゃなかった」と後悔した経験と「会社で学んだスキル」の貴重さを実感して企画したセミナーです。大人も子どもも含めて「職育」も最近テーマにしています。

 

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〔本日の会話〕

 

用言の活用表を埋めている生徒の答え。

 

私「『見る』を命令形で言うとどうなる?」
生徒「…『見て』
私「うーむ、確かにカワイく命令するとそうなるかも。『これ見て♪』って感じやな。残念ながら、もう少しオッさんぽい言い方やねん」
生徒「答えは?」
私「『見ろ』と『見よ』の2つやね」
生徒「うわっ、ジジくさ

 

 

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コメント

こんばんは。
2ヶ月くらい前に天満橋でとと先生の講座を受けました。整体屋です。

あれから、下手なりにブログを始めました。
文章を書くのはすごく難しいものだと感じてます。
いろんな人のブログを見て書き方、表現方法、言葉の使い方を勉強中です。
経営者と講師。たいへんなのは重々承知です。頑張ってください。

投稿: ちゃぎぃ | 2005.12.02 01:26

 ずいぶん前にTBいたしまして、そのときにコメントも付けたつもりでいたのですが……。

 たいへん失礼いたしました。

 当方、公立高校国語科教諭の競輪王と申す者です。

 よろしくお願いいたします。

 メールアドレスを晒すのは怖いので、捨てアドです。すみません。

投稿: 競輪王 | 2005.12.11 14:51

ちゃぎぃさん

>あれから、下手なりにブログを始めました。

その行動力があれば、大丈夫です。セミナーに出ても行動してもらわないと意味が無いので…

>文章を書くのはすごく難しいものだと感じてます。

量を書けば、必ず変わりますよ。
時には話すようにラフに、たまには職人っぽく固めに…など、表現そのものも楽しんでください。

>経営者と講師。たいへんなのは重々承知です。頑張ってください。

ありがとうございます。
頑張ります。

投稿: クロネコとと | 2005.12.12 12:44

競輪王様

>当方、公立高校国語科教諭の競輪王と申す者です。

学校の先生の意見は有難いです。絡める話の時は、トラックバックでもコメントでもご参加いただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

投稿: クロネコとと | 2005.12.12 12:58

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» 悟り 〜その2 [ヘタレ・競輪王のトホホ日記]
 最近になって、やっと国語学者・時枝誠記が『国語学原論』の中で言っておられた、「言語とは、思考の水道管のやうなものである」(引用は不正確かもしれない)という言葉の意味が分かってきたような気がする。 と同時に、国語の教師として何を教えなくてはいけないのか、も見えてきたような気がする。 ここ数日、長文化傾向にあったので、今日はこれでおしまい。... [続きを読む]

受信: 2005.11.23 10:44

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