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2006.02.10

悩みを言語化しよう。

 朝日新聞のニュースより。

 

学習指導要領、「言葉の力」柱に 全面改訂へ文科省原案
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200602080564.html

 

 

 私は折りに触れて「国語を学ぶ意義」をこう子どもに伝えます。

 

 「言語化できる悩みは解決できる。モヤモヤと何となく悩んで、凹んで、閉じこもるな。『あーナンでこんなにむかつくんだろう?』『イライラするんだろう?』と紙に書いてでもいいから原因を探って行けばいい。そうすれば『自分がこういう目に合っていて腹が立つから』『相手が自分のこういう気持ちをわかってくれないから』という答えが見えてくる。人に自分の気持ちを伝えるためにも言葉を増やせ」

 

 朝起きて、起きた瞬間に「わ、もうこんな時間や」「今日はナニをしよう?」と頭で何かを思います。思考は言語で成り立っています。だから、とにかく言葉を増やして欲しい。

 

 国語の勉強をする、というのは「思考を育てるための栄養を与える」ということだと思っています。

 

 ただ、私はここで「教師は完ぺきに美しい日本語を使わなければいけない」とは思っていません。掲載している実況中継などでもおわかりのように、美しく正しい日本語だけで授業を成立させること以上に「脳と心に伝わる授業」を重視しています。まずは聴いてもらえなければ、始まらない。しゃべりを子どものレベルに合わせて駆使するのも、教師の技術の一つです。

 

 清濁合わせてメディアや子ども達の間に氾濫する日本語に目を配りつつ、「モヤモヤとした気分」を言葉にして吐き出す術(すべ)を教えてやりたいと思っています。

 

 そして情報を選び取り、多角的に見た上で自分の意見を明確に持ち、そして持論を他人の意見と交換しながら深められる。そんな人材が、社会でも家庭でも大事にされ、必要とされるはず。

 

 私もストレスを溜めやすい人間ですが、いつも手元にノートを1冊置いてます。
 モヤモヤする時は、連想式に原因を言葉にして書いてみます。
 「こうすれば解決する」とわかったら、それ以上悩む時間が不毛です。

 

 もちろん、感情的に納得が行かない部分はあるのですが、解決のための行動に出ると必ず次の結果につながります。じっと悩んでいても変化は起きない

 

 私が国語を教えるのは、もちろん受験を乗り越えられるタフな人材育成という側面もありますが、これから出会うたくさんの理不尽なことや悩みに対処できる「言葉の力」を与えてやりたいと願っている面もあります。

 

 だからこそ今回の指導要領改訂が、上っ面の学力養成だけでなく「生きるための言葉の力」につながることを切望しています。

 

 

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〔本日の会話〕

 

私 「『偏食』という言葉の『偏』という字に送り仮名つけて、訓読みできる人」

 

生徒1「編む(あむ)」
私「似てるけど、惜しい!そりゃ糸へんや、これは『にんべん』。」

 

生徒2 「偏る(かたよる)?」
私 「そうそう。だから『偏食』ってのは好きなものばっかり『偏って食べる』という意味やな。何か『これが大好物でよく食べる』ってもんあるか?」

 

生徒3 「高野豆腐!」
私 「し、渋過ぎる…他の子は『高野豆腐』って知ってんの?」
生徒4 「『ゴーヤー豆腐』 !?苦そう!」
私 「ま、まずそう。君、聞きまちがえてるで」

 

 「ウチの子、偏食で高野豆腐ばっかり食べてんのよ」と言ってみると、健康的に聴こえるから不思議。

 

  
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コメント

はじめてコメントを残します。今回の記事はとても参考になりました。私は英会話講師をしているんですが、自分がどういうことを伝えたいかということを日本語でも言語化できない生徒さんが多いなぁと感じていました。基本的に日本語で出来ないことを英語でやろうとするともっとハードルが高くなってしまう・・・。でも、世の中「英語はやっとかないと」という状態。
いつも、この矛盾、どうにかならないかしら~と思っていたんですね。「思考を育てる」国語教育、これがあってはじめて、「海外に発信できる」英語教育がしっかり成り立つのだと思いました。

投稿: Amy | 2006.02.19 09:03

Amyさん

英会話&英語の先生の意見は、本当に「言語」について根本的に考えさせられるので参考になります。ありがとうございますm(__)m

>自分がどういうことを伝えたいかということを日本語でも言語化できない生徒さんが多いなぁと感じていました。

そうなんですよ。英語の長文読解も、単語力という面もありますが、論理力や前後から文脈を類推する根本の思考力が日本語ですらできていないと、読めないんです。

>「思考を育てる」国語教育、これがあってはじめて、「海外に発信できる」英語教育がしっかり成り立つのだと思いました。

 そのためには、幼児向け英語教育と国語教育や読書指導は同時に行われないといけないんですが、なかなか巧く噛み合ってない印象があります。

 またお気軽に、ご意見いただければ幸いです。ありがとうございました!

投稿: クロネコとと | 2006.02.21 02:46

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英語をいくらやっても、しゃべれるようになった気がしない。 なんか同じレベルをいったり来たりしている気がする。 レベルが上がっていない気がする、 自分の話す英語が薄っぺらい気 [続きを読む]

受信: 2006.02.22 01:27

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