« 大人と子どもを教える理由。 | トップページ | 悩みを言語化しよう。 »

2006.02.04

定期テストを突破せよ!

「大阪府教育委員会が、新高1にノートの取りかたから指導」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060202-00000152-kyodo-soci
 
 このニュースを読んで「甘やかしとる!」と思うか、「しょうがないなー」と思うか。私は公立改革こそが、日本の未来を作ると信じていますので「自立学習の支援なら、税金を投入する価値がある」と思っています。

 昨年の秋から、進学塾で中1と中2を教えています。そこは入塾試験が難しく、入ってくる生徒はクラスのトップレベル。その中で、つくづく思うことがあります。
 
 「定期テストを乗り切れるかどうかが、子どもの将来を決める」と。

 極論に聴こえるかもしれませんが、「豊かな才能」「生まれつきの個性」で抜きん出てそれが食う仕事になる、という人材は非常に少ないものです。とてつもない自信家で、早いうちから「自分は他の子と違う、テストなんかかったるい」と学校を辞めて起業でもして、成功する。むしろそんなタフな子どもが出てくるのも面白い。

 しかし、「テストかったるい」「ウザい」という理由だけで、同じ年齢の子ども達がこなしている定期テストを乗り切れない子どもが、まともな職に就けるとは思えません。

 まずは親に食わせてもらっているうちは、勉強が子どもの仕事です。

 数学が何の役に立つ?
 古典なんていつ使う?
 化学なんて興味ない。

 …それがどうした?

 与えられた課題に対し、期日前に範囲が示される。みんながそこに焦点を絞って遊びやゲームを我慢して勉強に取り組む。点数が悪かったら、原因を追究して次回のテストまでに改善する。時間が足りないなら、勉強の効率を上げる工夫をする。それはずっと行われてきたことで、自分の「好き/嫌い」は二の次です。

 別に、いい内申を取っていい大学に行こうとか、そして「勝ち組」になろう!なんて言う話ではありません。

 大人の仕事は「好き/嫌い」だけではやっていけない。そして好きな仕事の裏にも、必ず辛いことがある。嫌な作業が1つはある。会社に入れば苦手な人もいる。それを乗り切って、お金を稼いで初めてまともな社会人として認められる。そのトレーニングとして「勉強」があり、「定期テスト」や「受験」がある。心を育てる教育、ももちろん大切。だからと言って「子どもがイヤがりそうなことを、先回りして柔らかくして与える」だけでは、社会に放り出された時に対応できない人間になってしまいます。

 
 塾でも定期テスト対策をやりますが、プリントを大量に与え予想問題をやらせて取らせた高得点では意味が無い。「先生、この間の予想問題あってへんかったで!ひどい!」なんて子どもにグチを言われているうちは、ダメです。

 子どもが「テスト勉強は自分でやるから休んでいい?」と言ってくるぐらいで、ちょうどいい。塾としては「テスト対策にこない生徒はその月は半額」という制度を作ってもいいほどだ、と思っていました。

 また、いつか定期テストの勉強の仕方を教えて4回分のテスト(2学期分)をこなして自立させ、卒業させる塾をやりたいなぁと思っていました。長期の塾では、お金の無い家では通わせることのできない価格になってしまう。半年の集中コースで、分割払いも可能にすれば学校から取りこぼされた生徒にも、対応できる(キャッシュフローはよくないですが)。

 ですから、今回の大阪府教育委員会の方針には大賛成です。定期テストで点数が取れない生徒には、税金で「勉強の仕方」を教えてやってほしい。ぜひ中学にも広まってほしいと思っています。早ければ早いほど、効果が上がるはずです。


 ※朝日新聞の大阪版には「予備校講師ら外部から講師を招く場合は、その費用を補助」とありました。予備校講師(現代文)経験もあるので、ぜひ呼んでほしいものです。メール

=========================

〔本日の会話〕

私 「明治時代からは『俳句』って言うけれど、それまでは『俳諧』と呼んでいました」

生徒1「『ハイカイ』!?」
生徒2「ウロウロする老人や!」

私 「君たちが言ってるのは『徘徊』(黒板に書く)。しょーもな。ちゃんと『俳諧』を覚えてや。それから松尾芭蕉みたいに、俳諧を読むのを仕事にしていた人を『俳人』と言います」

生徒3 「『ハイジン』やて!」
生徒4 「旅行なんかできへんやん!」

私 「…ひょっとしてアタマの中でこういう字書いてんのか?(『廃人』と書く)」

生徒たち (ひーひー笑いながらうなずく)

 確かに、松尾芭蕉は徘徊して俳諧を作る老人だが「廃人」はヒド過ぎる。 

========================

◆くろねこ@国語塾:役立つ厳選バックナンバーはこちら
http://www.kikaku-ya.net/kuroneko/study.htm


にほんブログ村 教育ブログへ

|

« 大人と子どもを教える理由。 | トップページ | 悩みを言語化しよう。 »

コメント

久しぶりに書き込みます。
もう、まったくもってそのとおり~。
「もう、勉強いや・・・」
だからなに?

私の塾では「めんどくせー」といったら宿題5倍!(実際に出したことはないのですが、生徒たちはいつ私の気が変わるかしれないんで、「あわわ、いってません!いや、そういう意味じゃないです」とか必死に取り繕います(^^;

ところで、後半部分のやりとり、頭のいい子達ですよね?!うちにはとてもそんな会話は成り立たないクラス(中1)があります。言葉を知らないったらないです。正直言って倒れそうなくらいがっかりすることも多いのですが、その子たちでも底辺ではないようです(ちゃんと塾にきてるし)。

投稿: serena | 2006.02.06 14:51

serenaさん

>私の塾では「めんどくせー」といったら宿題5倍!

いいですねー
確かに面倒でも、大人も面倒なことに耐えてあんたたち育ててんだから(笑)

>ところで、後半部分のやりとり、頭のいい子達ですよね?!

そうですね。地元中学ではトップ層なんでしょう。多少知識はあるようです。

>その子たちでも底辺ではないようです(ちゃんと塾にきてるし)。

そうなんです。
私の見てる子どもの向こうに、10倍の「言葉を知らない子ども」がいるんだと思うと、何ができるかを考え込んでしまうこともあります。

「努力の仕方」すら知らないで、できないと思い込んで諦めている子が多いと思うと、歯がゆくてたまらないです。

投稿: クロネコとと | 2006.02.09 23:00

いつも更新を楽しみにしています。
普段からモヤモヤ~っと思っていることを
スパッと書いてあってとてもスッキリします。
嫌なことにも自分との折り合いをつけ上手く取組む。
大人になる上で大切なことだと思います。

先月から私立中学生の家庭教師も始めたのですが、
自分の弱点をきちんと把握していない。
小中高一貫なので定期テストの出来は重要です。
まずは、弱点を洗い出す作業から始めました。

最近指導していて感じるのは
「力をつけるには、まず己を知ること」の大切さ。
講師側から言えば、生徒自身に自覚・把握させること。

学年の入れ替え期なので、
小5のカリキュラム強化、
講師の底上げやチームワーク向上について、
また、以前書いた生徒の個別自習の状況把握についても
色々提案してみようとまとめているところです。
巧い言い方ややり方には頭を痛めていますが。

おまけ。面倒くさいについて。
面倒くさい→やらない
は即却下ですが、
面倒くさい→工夫してやる
は推奨しています♪

投稿: ya | 2006.02.23 13:28

yaさん

お返事放置してすみませんm(__)m

>最近指導していて感じるのは
>「力をつけるには、まず己を知ること」の大切さ。

そうですね、自分を客観的に見られる子は伸びますよね。大人側はどうやってそれを「言われるから」じゃなくて「自覚」させるかでしょうね。

アンタはこういうタイプだから、って大人が決め付けて、子どももそれを言い訳にしだすと最悪です。自分の心でわかっていれば「改善しよう」と思うはずです。


>面倒くさい→工夫してやる
>は推奨しています♪

いいですね!
文章を書くのでも字を丁寧に書くのでも
学習を工夫するのにも「面倒」から逃げられない。

そこにあえて取り組ませるのも、大事な機会ですね。

投稿: クロネコとと | 2006.04.23 02:38

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 定期テストを突破せよ!:

« 大人と子どもを教える理由。 | トップページ | 悩みを言語化しよう。 »