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2006.10.07

子どもに見せたくない雑誌。

最初に近況報告など…
 
来週の火曜日、テレビに出演します。

10/10(火) NHK関西「もっともっと関西」17:15~18:00
教育に関する特集に呼んでいただきました。

ずーっとスタジオで生出演なので、粗相が無いように祈っています。
(なんか料理食べてコメントするなんて場面もあるようで)
興味のある方はチェックしてみてくださいm(__)m

本家のホームページも少し手を入れる予定です。
「生きるための国語力」をテーマに、活動を広げていこうと準備をしています。


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 私の現在の敵は「プレジデント・ファミリー」

 毎回毎回、背筋をイヤーな気分にさせる特集を組んでくれる。前の号の「嫁に行ける娘、行けない娘」なんて「大きなお世話じゃぁぁ!!」と叫びたくなった。でもそれだけ教育関係者を「嫌な気分」にさせるってことは、ある意味、雑誌としては成功している。えぇ、素直に買ってますよ。


 今月号の特集は「担任教師の能力判定」

 この雑誌、頼むからこっそり保護者が買って子どもの目に触れないところで読んで欲しい。親子が肩並べて読んでると思うと、本当にぞっとする。


 親「あんたんとこの先生、当てはまる?」
 子「うん、これに書いてあるみたいなダメ先生だよ」

 
 その時点で、子どもは教師に対する畏怖や敬意をすっかり喪失してしまう。親やメディアという味方まで身に着けて、自分が努力をしない言い訳を「教師のせい」にしだす。

 
 確かに、力量が今ひとつの教師はいる。

 そしてほぼ毎日のようにわいせつで捕まる教師がいる。公立の教師が多い(仮に私立で似た事件があっても、世に出にくい)。親の危惧がわからないでもない。教師の質に対する、外部のチェックや査定は必要だと思う。

 雑誌には、熱心な保護者が公立の学校に働きかけて改善した例が載っていた。先日も地方にセミナーに行った際、こんな話を年配の方に聞いた。30年も前の話とのこと。


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 新人の先生が地元の中学に来る。数年経って、馴染んだかなと思うころに転勤になる。そういうことが数回続いて、どうやらウチの地元の中学は「新人養成所」のような扱いを受けていることがわかった。地方にとって、教育は地域の未来を決める重要な要素だ。そこで教育委員会に働きかけて、厳しい先生を送ってもらった。何年も子ども達を指導してくれて、その時期から進学率も上がって地元に優秀な人材が育つようになった。

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 要約するとこんな話で、地方の小さな町であっても「地域を支える人材の育成」を意識している人々がいるのだと感心した。

 学校全体や地域のことまで考えて動く親たちがいること、それは悪くない。何人もが同意見であれば、きっとその学校や教師には問題点があるのだ。しかし「○○先生を変えてください」と押し掛けてくる親をかわし続けてきた、塾の校長経験から言えることがある。


 頼むから、子どもを巻き込まないで。

 仮に子どもが家で「○○先生、わかりにくい」と言っていても、簡単に同調してはいけない。その場では「どこがわからないの?」と具体的に質問を投げ、一度は個人的に質問に行かせることだ。子どもは単純に「好き・嫌い」で判断していることも多い。

 また保護者懇談のついでに、学校の先生の悪口を言う保護者は多い。前に書いたけれど、塾教師と学校教師は相容れない部分があるので同調したくなる内容もある。それでも真実は教室の中に入ってみないとわからないものだ。


 私がいつも言うことがある。

 
 「色んな大人に出会うのも勉強です」


 苦手な人、変わった人、考え方の違う人とのぶつかり合いの中で成長しないと、会社に入った時に容赦なく出会う「合わない人」とのコミュニケーションに失敗して潰れてしまう。好きな人、自分に優しい人で周りを固め、真綿で包んだまま大人にさせるなんて、危険極まりないと思っている。


 思い出してみると、どの学校にも苦手な先生はいた。
 それも今から思えば貴重な「人間を学ぶ機会」になっている。


 あまりにも指導力不足なのはもちろん問題だが、学校であれ塾であれ、家庭で子どもと一緒に教師をバカにしてはいけない。教師の指導力・統率力を奪っている原因の一つに、マスコミ及び保護者が子どもに話す「学校不信・教師不信」も必ずある。


 だから「おたくの担任、大丈夫?」と言った煽りは本当に迷惑。


 内容を読み込むと、きちんと教師側にも立っている部分もあり具体的で役立つ部分もある。しかし、この広告や表紙が子どもの目に触れることそのものが、教師の地位を下げる。子ども達に「できない言い訳」を与える。さらに自分を導く人に敬意を払わない、そして大人に敬意を払わない人間に育つ。


 作る側は「売れることで世の中に問題提起をしている。だからインパクトのあるコピーで惹きつける。大事なことは読んでもらえればわかってもらえる」と言うだろう。

 でも、読者には「自分に都合よく解釈する編集機能」がついている。子どもに説教をしても、9割の説教より「褒めた1割分」しか覚えていないみたいに。子どもの成績が伸びないのに苛立つ親が読んだら、ダメ教師の事例だけがすーっと浮き上がって頭に入ってくる。


 雑誌側は売れればオッケー。
 だからこそ、受け取る側の読解力と良識が問われる雑誌だと思う。


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 うーん正直に言うと、とにかくこの雑誌は苦手。
 そうだな、美容院で渡された「VERY」をイヤイヤ読んでるような気分。
 
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