擬態語/擬音語をマンガに学ぶ。
私は授業の中でドラえもんを引用することがあります。例えば「媚(こ)びる」という言葉の意味を教える時、「スネ夫のジャイアンに対する態度」というと子どもがいっぺんに理解をしてくれる。共通体験として本当に役立つロングセラー漫画だと思っています。
去年、臨時で中1の冬休み講習に出た時「擬音語」と「擬態語」の違いを教える場面がありました。ここでもドラえもんは大活躍です。
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擬態語や擬音語の「擬」は「模擬試験」の「擬」。「模擬試験」ってことは、本番のテストを「真似して」作ったテストやんな。だから「擬」の字には「真似をする」という意味がある。…ってことは、擬態語は「ものの状態を真似して作った言葉」。
《板書》
シャボン玉がふわふわ飛ぶ。
この「ふわふわ」は、シャボン玉が頼りなく飛んでいる感じを真似して…というかがんばって言葉で表現しようとイメージして作った言い方やね。「ふ」と「わ」の組み合わせで、シャボン玉が空に浮いてる映像が浮かぶやろ。この「ふわふわ」って擬態語、よくできてると思わへん?
「シャボン玉がびゅんびゅん飛ぶ」ではちっともシャボン玉の飛ぶ感じを真似てないやろ。じゃあ、「びゅんびゅん飛ぶ」でイメージできるのは何が飛ぶ時やろ?…そうやね「ボール」とか「鉄砲の弾」とかそんなんかな。
じゃあ擬音語に行こう。擬声語とも言うから、両方覚えておいてな。これは「音や声を真似して作った言葉」。猫の鳴き声は何ていう?…「ニャー」やね。猫が鳴いてるのを今度、もう一回ちゃんと聞いてみてな。よっぽど声の悪い猫やなかったら「ニャー」に近い発音で鳴いてると思うで。
《板書》
机をトントン叩く。
これは「コンコン」とか「コツコツ」でもええと思うけど、そういう音するやんな。机をちょっとたたいてごらん。(生徒に叩かせる)おっと、○○みたいに、力がいっぱい叩くと「どんどん」って音になるな。
これは今まで日本語を使ってきた人たちが作ってきたものやから、もし文章を自分で書く時には「机をボンボンと叩く」とか勝手に作ってもええねんで。聴こえた通りに書いてみて、人にもそうやなぁ、って思ってもらえたらそれでいい。
さてここまでで「擬態語」と「擬音語」をやってんけど、この2つの見分け方は「ホンマにそんな音がするかどうか」で見分けるねん。
《板書》
(1)ママがガミガミ叱る。
(2)のび太がうわーんと泣く。
この2つの文で、ホンマにそういう「音」がするのはどっちや?そうそう(2)の「うわーん」やな。思いっきり大声で泣くとき、「わーーん」とか「うわー」とか言ったことないか?これが擬音語・擬声語やね。(1)は「ドラえもん」で怒ってるママの横に「ガミガミ」ってよく漫画には書いてあるけど、ホンマに「ガミガミ、ガミガミ!」って言ってたら…ママどうしちゃったんやろ、って思うやろ(笑)。
これは「のび太、あんたはどうしてまた0点を取って!しっかり勉強しなさい」とか何とか言ってる「ママが怒って話している状態」を真似して作った言葉なんやね。だから「ガミガミ」という音は聴こえない。途切れなく叱る様子を真似している言葉だから、擬態語。
だからいっつも「音がしてるか?してないか?」で考えてな。
はい、「犬がキャンキャン鳴く」は擬態語?擬音語?
生徒A「擬音語」
じゃあ「お父さんのお腹がたぷたぷゆれる」はどっち?
生徒B「擬態語」
ウチのオトンのお腹はホンマに「たぷたぷ」って音がなるでーという子がいたら教えてな(笑)。普通はないな。これは「柔らかくゆれる状態を真似して作った言葉」やね。だから擬態語。ちょっとわかってきた?
最後に、これはしょーもない話やねんけど、ドラえもんの漫画の中でこういうの見たことないか?
(黒板に「ホゲー~オエー~」と書く)
これってどんな時に出てくるか知ってる?
生徒「ジャイアンのリサイタル!!」
そうそう(笑)。ジャイアンが土管の上でリサイタルを開くやんか。ほんでみんなが耳ふさいで苦しんでるやろ。でもな、テレビでドラえもん見たら、ジャイアンって「おーれーはジャイアーン、がーきだいしょー」ってちゃんと歌ってんねん。
じゃあ、あの漫画の「ホゲー~オエー~」は「擬態語」か「擬音語」のどっちやと思う?
ちょっと難しいかな。ジャイアンは普通に歌ってるつもりでも、あんまりにもヘタなんで、聞こえる方には「ホゲー〜オェ〜」としか聞こえてない。つまり「ジャイアンの歌声」を真似して作った「擬声語」「擬音語」になるねん。
最後のはオマケやとして、とりあえず今日は擬態語と擬音語の使い分けを覚えてちょうだい。それから宿題で、次の文のカッコの中に自分で擬態語と擬音語を考えてきてな。
《板書》
・星が( )かがやく。〔擬態語〕
・雨が( )降る。〔擬音語〕
星が光る様子、雨が降る時にする音を思い出して作ってみてください。最後に「お腹がぐーぐーなる」と「ぐーぐーとなる」のどっちでも意味が同じやから、「と」をくっつけてもええからね。
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このジャイアンの歌の話から、以下のサイトの話をすることがありました。
ジャイアン名言集
http://yosktnk.k-server.org/jaian.html
「えいきゅうに かりておく だけだぞ。」
このトリッキーな日本語!
今日見つけた本の中にもジャイアン猛語録があって大喜びです。
心に響くドラえもん名言集「ドラことば」(小学館)
この本は、まず大人におすすめ!子どものころに知らずに読んでいた「ドラえもん」が教えてくれたメッセージの濃さに驚きます。ドラえもんに出てきた名言がたっぷり収録されており、これはぜひコメントとセットで読んでもらいたいのでここでは紹介しません。
1つだけ、今の私が挙げるとすれば
「道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ。」
ジーンマイクで言われたように、胸がギュギュッと痛くなりました。大人になると「要領よく成果を出す方法」「できるだけ傷つかない方法」ばかりを追求してしまうものかもしれません。色んなことに逃げ腰だった自分が、恥ずかしくなります。その一方でのび太の「いっしょうけんめい のんびりしよう」というセリフに、「そうだ、そうしよう!」なんて思っている自分も(笑)。
子どもが読んでも、大人が読んでも必ず何か心に残るセリフがあるはずです。
合間に入っている辻村深月さんという若い作家によるエッセイも素晴らしく(中でも「コンピュータペンシルは使わない」は出色!)、またドラえもんに影響を受けた読者のメッセージも胸に沁みてきます。
人生の機微が詰まっています。
ぜひ、親子で楽しんでください。
P.S もし塾の現場にいたら「勉強カード」はぜひ使いたい!
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◆くろねこ@国語塾:役立つ厳選バックナンバーはこちら
http://www.kuroneko-kokugo.com/study.htm
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