2007.10.03

雑談:「受験の神様」に泣く(2)

 「読売ウィークリー」のリレーエッセイが、現在発売中の号に掲載されています。
 今回は「塾でのいじめ」について取り上げました。

 詳細はこちらのサイトに掲載しています↓
 教育レポート/edurepo  http://edurepo.com

 
 >>前回の「『受験の神様』に泣く(1)」からどうぞ。

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 最終回は、ただただ「塾教師の一番長い日」=「合格発表の日」の追体験でやたら泣きまくり、ものすごく疲れました。

 塾では合格発表は生徒からの報告を待つことが多いのですが、本部からの指令で学校を割り振られ、全員の合否を見に行かねばならないという仕事がたまにありました。落ちた家の子は電話してこないこともあり、嫌な仕事でした。

 気にかけている生徒が受けている会場で、番号を探す。
 無かった時の、絶望感。

 ここで冷静でいられる講師の方が、プロなのかもしれない。
 でも私はいつも泣き崩れてしまった。

 あの子がどれほど泣くだろう。
 なんで受からなかった?
 なんで?あんなにやったのに!?

 ドラマの中では「あなたは悔しくないの?私は、悔しい」と家庭教師が落ちた子に言うのですが、本当に悔しいんです。しかし、これが「受験」特に中学受験の怖さだと知り尽くしているのも自分です。


 私は今も、入社して最初の上司を尊敬しています。
 彼は別に仕事ができる敏腕校長でも何でもありませんでした。

 今なら大問題でしょうが、時間がある時は塾の名前入りジャンパーを着て商店街のパチンコ屋に消えてしまい「はい、チョコレート♪」と無邪気に戦利品を差し出すような、とんでもなくダラシない社会の先生。
 
 社員になって最初の年。

 不合格の報告に来た生徒と保護者を見送った彼が、なかなか入ってこないのでそっと覗きに行くと、泣いていました。「あいつ、受からせてやりたかったなぁ」とつぶやいたのが、聴こえました。校長なのに、営業やマネジメント業務より授業の方が好き。生徒を構うのが好き。生徒も先生が大好き。

 
 中学入試は絶対的に必要なものではない。
 子どもの時間と精神力と、保護者のストレスを必要とします。
 それをサポートするために塾が存在します。
 塾を作った以上、売り上げがないと会社が潰れます。
 生徒を集めるためには合格実績が必要です。
 

 その大人の思惑、異常事態に取り囲まれている子どもとの間に、少しでも温かな「つながり」を持ちたい。逆に言えば、異常事態だからこそ子どもと私たちは強烈に濃い時間を過ごす。落ちて悔しくて涙が出るほど、本気でやってなきゃ意味ないよと上司に教えられたような気がします。
 
 
 「受験はゴールではありません」

 ……ドラマの中のセリフにそうだともと思いつつ、それでも最後に補欠合格の電話に駆け出す親と子の気持ち、そう、やっぱり志望校には行きたい!当たり前だ!いくらご都合主義でもドラマの中でも「よかったねぇ」とまた号泣。


 中学入試のドラマ性や緊張感を取り入れつつも、単なるお受験ノウハウものに終わらず「少年成長モノ」になっていたのも良心的なドラマでした。

 「あなたは受験がしたいの?それとも勉強がしたいの?」 

 これは、保護者がドキッとするセリフですね。

 子どもが宿題やテストをこなしながらも、毎日触れるニュースや数字・言葉に興味を示すようになっていれば、その受験はムダにならない。目の前の合格ラインに届かない生徒を引っ張り上げながら、国語の楽しさや文学の本質を教える。そういう授業がしたいと改めて思いました。


 同時に、「受験は過程が大事」とキレイごとを言いながらも、
 「結果出してやってナンボやろ」という欲もあり。
 塾講師の抱える本音と建前を、ラストで痛感。

  
 受かった子、受からなかった子。
 たくさんの生徒の顔を思い出した最終回でした。


 《余談》
   
 難を言うなら、学校の描かれ方が酷すぎです。

 ・携帯やゲームを持ち込んでいるのを取り上げない
 ・「塾の授業みたいに面白くしてくれ」の発言に反論しない
 ・生徒の意見で授業内容が変わる

 他にも気になったところがあったのですが、担任教師のへタレっぷりには別の意味で泣けてきました。

 
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2007.09.23

雑談:「受験の神様」に泣く(1)

◆ドラマ「受験の神様」公式サイト
http://www.ntv.co.jp/juken/


 8月に久々に塾の現場に立ち、小4を担当しました。彼らに「受験の神様」観てるかーと聴くと、クラスの8割が手を挙げました。その視聴率が最後まで継続したかはわかりませんが、私は6話を除いて最後まで観てしまいました。


 「神様」の棒読み演技(意図あってのことでしょうが)や、ステレオタイプな教育ママの描き方などドラマとしてそりゃー普通の人が観たら難はあるんですが、単純に塾教師のツボにハマって7話・8話ひとつ飛ばして最終回と泣いたりしている情けない有様。

  
 ここで唐突にご報告なのですが、私は現在妊娠9ヶ月です。
 11月に出産を控え、少々涙もろくなっていると言い訳をしつつ…

 7話で「絶対無理!」とみんながからかう難関校を諦めきれない女の子が、「私はこの中学に行きたい、受験させてください」と涙ながらにお願いするシーン。11歳、12歳で本当に「行きたい学校」なんてどうやって見つけるんだろうと思うんですが、実際の生徒でも「ここに行きたい!」と強い意志を見せる子がいる。誰かに言われて勉強していた頃と、明らかに表情も取り組み方も変わります。

 そこで家庭教師の「受験の神様」とやらが答えるのです。
 「私が合格させます」と。

 塾教師から言わせてもらうと、本来は受験指導はチームプレーなので各科目担当が力を合わせて頑張らなくちゃいけない。そもそも1人で受験指導のすべてをやってる時点でファンタジーなのですが、このセリフは塾講師として一番言ってやりたい、でも言っちゃいけないセリフだよなぁと思います。

 「国語の成績は絶対に上がる」
 「合格するレベルまで引き上げてやるからついてこい」

 このぐらいまでは言えますが、「合格させます」って重~いセリフなんですよ。昔、これでよく算数の先生とケンカをしたことを思い出します。国語や社会って追い込みが効くし、「合格ラインまで伸びない理由」を探す方が難しい(私はそう信じています)。理科もまだ暗記分野の余地がある。

 でも、算数の先生は見切りが早い傾向にあります。実際、過去問や模試の解答用紙を前に「この生徒が伸びない理由」を説明されると「やっぱり無理かも」と気弱になるのですが、そこを何とか!志望校の傾向に合わせて少しでも伸ばしてくれ!他教科でカバーするから!と強くお願いして指導してもらうことも多々ありました。

 受験の神様の「私が合格させます」は、言いたいけれど言えないセリフの筆頭
 過去の「第一志望校に焦がれ続けた子ども」を何人か思い出して、思わず泣いてしまいました。


  8話は受験ドラマってことと無関係に「おじいちゃん子」には号泣の回。

 子ども目線から見たお通夜から葬式を、時間の8割も使って丁寧に描いていたのにびっくりしました。最初は好奇心と慣れない正座にそわそわしていた子ども。弔問客たちが自分の知らない祖父の姿を語ったり、遺影を前に泣き崩れるのを見て「何か」を悟っていく。この「何か」は“死”であったり“生きることの意味”であったり、自分を支えている周りの人の存在かもしれない。子どもの心の中に感情の原型がぷちっと生まれる瞬間を、よく描いているなと思いました。

 それが国語の心情理解につながって小説文ができるようになる…ってのは安直に過ぎても、「感情の経験値」が低い子どもがホンマに小説の読解ができないのは事実。

 この回は「泣きのツボ」をよく心得て作ってあり、お守りから出てきた写真を見た瞬間に号泣ですよ。私はおじいちゃん子だったので、参りました。

 
 そう言えばこの夏、ある生徒に「お祖母ちゃんが死んじゃったんだけど、どうすればいい?」といきなり聞かれました。小4なりに、感情のやり場に困っていたんだと思います。私は「覚えていてあげて、そしてお祖母ちゃんの話を色んな人にしてあげて、できれば、あなたが生きている限り」と答えました。

 先日、出産したばかりの友人を訪ねた時、こんなことを言ってました。

 「父がこの子が産まれる3ヶ月前に亡くなって、父が建てた家も取り壊したのね。父が居たという証拠がどんどん消えていく。あー、人間ってはかないもんだなって思った。覚えてるって言っても、せいぜい2世代ぐらいじゃない?この子はもう父を知らないし、ましてやその子どもは全く知らない。……はかないよねぇ」

 新生児を前にして死を語るというのは不思議なものですが、ある意味、子どもっていうのは死に対して怖いもの知らずなところがあります。逆に大人たちは、日々に追われて「明日死ぬかもしれない」儚さを忘れている。

 自分が何を残せるかわからないけれど、死んだ後にもし嬉しいとしたら「忘れないでいてくれること」ではないかと思ったので生徒にそう答えました。実際、私は亡くなった祖父の話をあちこちで話し、書くようにしています。そうすることで、大好きだった彼が生きた証を少しでも残せるのではないかと。

 受験テクニック以前に、自分の人生の中に「死」が必ずあること、そこから逆算して「生きてる自分」って何なんだということ、自分と誰かがこの世で出会ったことの意味を、国語を通じて考える機会になればと思っています。

 たかがドラマですが、そこまで考えさせられた8回には驚きました。

 「死ぬまで勉強」というおじいさんの教えも、受験戦争に巻き込まれている子ども達に伝えるメッセージとして非常に納得が行く。小6で勉強終わり!後は勝ち組コースまっしぐら…「楽させてやりたい」で受験をさせる保護者は多いのですが、そこからの「学び続ける人生」の方がずっと長いんですよね。

 
 次は、最終回を見た感想など書いてみたいと思います。

 
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2007.01.20

受験で得たもの。

 なんだか怒ったまま終わった2006年ですが、あれから忙しくしていたので更新できませんでした。今年は教育ライターとしてのサイトを別にきちんと作って、国語や受験ノウハウと教育問題を切り離して行こうと考えています。

 ここに載せようと思っていた「塾講師の役割」ですが、論文調で少々堅いので書き直してからいつか掲載してみようと思います。

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 さて、関西中学入試は統一日でしたね。

 私も1人の生徒を縁あって指導させてもらっていたので、久々に祈るような思いで日を過ごしています。

 たった数ヶ月、それも添削とスカイプを使った音声指導+1回会っただけ。
 その中で、数ヶ月の間に子どもというのは信じられないほど成長することを、改めて感じました。


  指導のし始めのころと比べると、送られてくる字が劇的にしっかりしている。解説を聞く態度にも、文章を理解したい!という執念が感じられる。そして「わかった!」という時の華やかで、誇らしげな声。


 受験とは、確かに結果を追い求めるためのものですが、すでに受験生たちがたくさんのものを手にしていることを忘れたくない。


 知識、学習習慣、粘り強さ…その他もろもろ。


 そのプラスを1つずつ「これが君が得たものだよ」と数え上げて、結果がどうあれ、心から認めてあげたいと思うのです。

 
 ちょっとした思い出ですが、ウチの塾では受験が終わった小6を全員連れて遊園地に行ってました。

 子ども達は自分を苦しめた私に仕返しをするかのごとく、
 園内放送で私を呼びまくっておごらせたり、
 「あの人独身なんでどうですか」とオッサンをナンパしてきたり、
 絶叫マシンに私だけ乗せて、叫ぶ私をゲラゲラ指差したり。
 (全て実話)

 
 あー、こいつら子どもやってんな、と急に思い出す日です。
 
 こんなに幼いのに、あんな難しい問題が解けるようになった。
 たくさんの宿題をめげずにやってきていた。
 寒い朝、あちこちの学校に行って必死で試験を受けた。

 すごいな、君たち。

 幽霊屋敷に押しこめられて騒ぎながらも、
 毎年、感慨深かったものです(笑)  


 教師や親のサポートがあったとしても、究極のところ彼らの体力・知力・精神力が全てなのです。それを忘れずに、ここまでやりきっただけでも言葉を尽くして褒めてあげてほしいなぁ、と思います。


 あと少し。
 積み重ねてきた力が、まっすぐ出せますように!
 

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2006.09.27

強制力というスキル

◆過去日記より(2003年ごろ)


 昨日の日記に書いた男の子は、私が塾に着くと飛んできた。


 「オレ、やってきたで!漢字のテスト勉強も、朝もう一度書いてきた!」と意気揚々と報告してくれた。

もちろん、クラスメイトも「先生、○○は宿題やってきたで!」「よかった~」と声を挙げている。本人もまるで100点でも取ったかのようにご機嫌だ。子どもの性格にもよるが「注目される」ことが刺激になるタイプの生徒には効く方法だ(萎縮するタイプの子には向かない)。


…しかし、漢字テストはカンニングをしなくなると、あっという間に悲惨な結果に。他の男の子達も私が「カンニングするぐらいなら、悪い点を取ってくれ。それは恥ずかしいことじゃない!」といって聞かせたら、堂々と100点満点のテストで8点を取ったりする。


 これで第一段階の「カンニングからの脱皮」をクリア。
 次は「実力で漢字テストで点を取る」ことに向かわせる。


 今回はやんちゃ坊主ばかりが揃ったので「漢字できないブラザーズ」を結成、全員が60点以上を取るまで「漢字強化キャンペーン」が続くことになった。こういうのはただネーミングだけなんだけど、「オレも入りたい!」と大喜びする(アホか)。この「漢字できない」というネガティブワードは、クラスや相手に応じて「漢字やるやるブラザーズ」などと名前を変えることもあるが、基本的には男女問わずに平気で使うようにしている。

 だって「君たちは人間としてはブラボーでも、漢字テストはダメダメです」というのは容赦ない事実。それは子どもも自覚している。「漢字がんばる隊」なとど青臭い名前をつけるぐらいなら、前者の「人間性や可能性を絶対に否定しない」というルールの下に、率直なウソのない言葉をぶつけた方が子どもはまっすぐな反応を示す。そして「カッコ悪いから勉強しよ」と思ってくれる。

 ただ、クラスには密かに悪い点を取ってる大人しい女の子もいる。そういう場合は本人にわかるようにだけ、帰り際にそっと肩を叩いて「どうしたん、勉強する時間無い?」と聞いてやる。おとなしい子は首を振るかうなずくかしかしないので、「イエス・ノー」で答えられる質問しか最初のうちは投げない。勉強の仕方を指示して、「少しずつがんばろな」と声を掛けて帰らせる。


 それから、できる子もちゃんと見せ場を作ってあげる。

 「今日満点やった子手挙げて~」と手を挙げさせて、「○○さん、漢字できないブラザーズにどうやって勉強してるのか教えてやって~」と言うと、恥ずかしそうに「休みの日に一回書いて、前の日に3回書いて覚える…」と答える。

 ブラザーズは「オレ1回しか書いてへんわ~」「すげー」などと騒ぎながら、ちゃんとできる子を認める。がんばって勉強してきた子は自信につながる。

 こういった生徒対応法はマニュアルにしても意味の無いものだ。
 何だろう、呼吸みたいなものである。


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 勉強や暗記は辛いもの。だからこそ「心と頭で納得して勉強してもらう」のが一番いいとは言え、やりたくないものを「何がなんでも宿題としてやってこさせる」強制力も必要だと思っています。小テストの勉強も同じく。

 振り返ってみると、小テストや宿題に厳しい教科の方が安定した成績だったのではないでしょうか?。甘い教師の科目は、自ずと暗記に緩みが出ます。校長時代、先生の授業アンケートで「楽しい」「面白い」のコメントが多い教師はいつも警戒していました。「厳しいけど面白い」なら安心です。子どもにとっての「人気教師」は「甘くてやさしい先生」「授業中に余談ばっかりしてる先生」のことも多いのです。

 「強制力」を、いかに子どもの成長度合いやクラスの雰囲気に合わせて発揮するか。
 塾講師のスキルとして重要なポイントだと思っています。
  

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 国語や教育に関する質問もお寄せ下さい。保護者・生徒・講師の方でも構いません。
 ただし、匿名にした上でこのブログで回答をさせていただくこともあります。ご了承下さい。
 メールはこちら

 
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2006.08.25

私学フェアに行ってきました

 現在発売中の「読売ウィークリー」P86~89に、今回は教育アドバイザーとしてではなくライターとして「婦唱夫随」型夫婦の取材をしたレポートを執筆しました。大学教授の方にコメントをいただいたのですが、「世界中のどこにいても、人の助けを借りながら生きていける力を身につけてやるのが親の義務」という言葉が印象的でした。

 これからは「家事能力」も、男女問わずに必要です。
 夏休みも終わりですが「お手伝い体験」を、残りのスケジュールに取り入れてみるのもオススメです。

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 受験生は「お手伝いどころじゃない!」のかもしれませんが…
 
 先日、天満橋であった私学フェアに行ってきました。
 中高が一緒だったせいか、物凄い人!
 私学熱の高まりも、肌でヒシヒシと感じました。


 Sigaku


 







私学の先生にとっては大事な営業の機会ですし、保護者の方の邪魔をしないように2・3校空き時間を狙って話を聴いてきました。ヘンな話、どの学校の話を聴いても好きになってしまうんですよね。私が子どもだったら行きたいなぁ、と思う学校ばかり。

  ただその奥に透けて見える実情を見抜くのも仕事なので、実績を見ながら色々と突っ込んだ質問をさせてもらいました。金蘭千里中の先生に6年一貫のデータをきちんと「入学者数」まで追って説明していただけたのが、好印象でした。国公立の進学実績から行くと、かなりお勧めの学校だと思います。

 他にもまた機会があればご紹介したい学校が、たくさんありました。

 
 明日から京都の私学展、兵庫県の私学展があります。
 土曜日には、朝日新聞主催の進学サポートフェアが梅田のスカイビルであります。

 入試相談会に関しては、2年前に書いた記事があるので参考にしてください。「行く可能性がある学校」の話は、絶対に聴いておいた方がいいです。選択肢は多ければ多いほど、子どもの気持ちにもゆとりが出ます。

 「いい教育を受けさせたい」は、必ずしも「知名度や偏差値がいい学校」に行くことと同義語ではありませんし、もちろん、公立の中学・高校でも実現できると私は信じています。ましてや、この少子化で生徒集めに必死の私学で、手抜きの教育というのは考えにくい状況。どの学校も熱意に満ちています。

 同じ受験をするなら、1つの成果に固執しないで選択肢を広げることをお勧めします。

 私学展や学校見学会の情報収集に、このサイトが役立ちます。

 ベネッセ 中学受験最新NEWS
 http://benesse-news.jugem.jp/

 
 最後に、一言だけ言わせてほしい。

 中学生女子の服装が酷い!!!
 キャミソールに化粧、サングラスを頭に乗っけてるのまで見た。
 男子も茶髪当然、あの「短足だらしなジーンズ」に鎖をじゃらじゃらつけた子がいる。

 その子どもにペコペコ頭を下げてパンフレットを配り、ブースに誘導する各学校の入試担当の先生…

 そんな格好で「これから3年間を過ごすかもしれない学校の先生」の前に出るのが、悪印象だってことぐらい家で洋服を選ぶ時にちょっと考えてほしい。終わった後に遊びに行く予定があっても、将来の進路と重さを比べてみればどっちをメインイベントにすべきだろう?

 そして学校側には、だらしない格好の子どもにペコペコしないで、毅然とした態度で接して欲しい…なんてキレイごとだと本当にわかっている(私も塾の営業で苦労したので)。

 でも、「私立に行かせる=『苦労』と『しつけ』を金を払って買う」という価値基準があってもいい。そういう意味で、私はどちらかと言うと厳しい学校好きです(生徒の精神が参るほどのスパルタ校はいけませんが)。 

 
 一言で終わりそうに無いので、この辺でm(__)m
 受験生の方はぜひ、フェアや学校に足を運んでください。

 先生の話を聴いて「入学後の自分」をふわっと想像できたら、きっと相性のいい学校ではないかと思います。まだ成績が足りない人は、入試の傾向や勉強のコツも質問してみましょう。どの先生たちも、熱心に答えてくれるはずです。


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2005.02.10

「YOMIURI WEEKLY」のコメントについて

 2/20発売号の「YOMIURI WEEKLY」の特集「05入試“一貫校”に異変」の関西の部分でコメントをしています。「当たり前のことしか書いてないじゃん」と思われた方もいるかもしれませんが「事前に戦略を立てろ」というのは子どものためにも本当に忘れて欲しくない基本中の基本です。

 入試の回数が増えたおかげでお試し受験や本命の結果に焦り、行った事もない学校に慌てて受験を申し込んだなどのケースは年々増えています。

 「自分の子は大丈夫」「絶対に第一志望以外は受けない」そう言い張っていた保護者の方でも、落ち込む子どもを見て動揺することはあります。〔参照:「入試相談会に行こう!」〕予想される学校は調べておいて、困ることはありません。

 それから一言どうしても言わせて欲しい。

 「実績稼ぎで本当に行きたい子のチャンスを奪わないで

 繰上げがある?その繰上げを待てずに入学金を払い込み、別の中学に行っている子どももいるんです。受験料がもったいないという気持ちはわかりますが、受験は「学習環境を手に入れるための努力」であり、大人たちの金や名誉やプライドのために子どもに壮絶な思いをさせることではありません。

 ○○校合格何名!№1だけでなく、「第一志望校合格率ナンバー1」が売りの塾があってもいいと思うのです。私も営業もやっていたのでわからないでもないので複雑ではありますが、やはり受験戦争を「戦争」にしてしまっているのは大人だと思います。現場の人たちからは偽善者と言われるのでしょうが、もう少し立ち止まって議論する余裕はあってもいいテーマだと考えています。

 

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2005.01.11

塾講師の合格体験記(1)

 長らく出張などで空いてしまいました。いよいよスタートですね。
色んなケースがあると思いますが、塾教師も合格の瞬間をたくさんの生徒に本当に毎日ハラハラしながら過ごしています。少し、思い出しながら書いてみたいと思います。

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 塾講師の合格体験記(1)

  「算数が苦手だった男の子」


 K君は、というより呼び捨てにしていたのでKは5年の時に担任になった。やたら大人びた顔のせいか、クラスでも尊敬されている。国語と社会ができてやたら知識ばかりある。少し大人びたところがあり、まだ教師になって2年目のペーペーに答えに詰まるような質問を投げてきてちょっと面倒な相手だった。

 お母さんはおっとりしていて、子どもに任せきり。成績がわりと安定していて手のかからない生徒だと思っていたが、算数の教師はかたくなに「あいつの算数はヤバイやばい」と言っていた。実際、直前になってかなり算数が低迷。過去問も取れない。面談をすると、担任である私の教科ができるせいか「国語と社会で何とかするからいい。算数は諦めた」とすねたように言う。

 彼にはあまり熱いアプローチは向かないと思って、とりあえず過去問チェックをしながら観察することに。合格ラインはギリギリというところで、暗記科目と国語を確実に固めていくしかない。算数が多少ヤバくても行けるぐらいの点数を取るので、まぁ勝算はあるかなと考えていた。

 12月末、彼が6年生にしては見なれないテキストを持っているのを見つけた。「予習シリーズ1・算数」。5年生の教科書だ。

「先生、○○先生(算数の教師)いますか」
「奥にいはるけど、質問か?それ、予習5年の教科書やな」
「うん、もう一度やり直してるねん」

 特に恥ずかしそうにもせず、さらっとクールに応える。私は嬉しかった。あえて基礎から逃げずに取り組む気なんだ。算数の教師もいい傾向だというので、そのまま見守ることにする。2週間に一冊ペースで復習をし、入試直前の過去問では算数もぐっと点を伸びていた。

 入試当日も、別に緊張したような顔もせずにすーっと門をくぐっていった。

 そして結果。前に受けた滑り止めも通っていたので、同じ学校の受験生には他に心配な子が多く彼に関して思い悩んではいなかったが、みんな結果が届いてすぐに電話をかけてくるのにかかってこない。だんだん不安になってきた。

 すると、本人が現れた。
真っ赤な顔して、息を切らせて。
「先生、受かった!」

 あぁ、やっぱり子どもなんだな。カワイイな。自分で見せたかったんだろうな。
点数は、算数もきっちり稼いでいる。あぁ良かった。
「算数、点数取れてるやん。誰や、『算数はもういい』って言ってたヤツは」
ふふん、と照れ笑いをした。

2年間の、彼および彼らと過ごした月日が一気に思い出されて、思わず合格通知を見ながらしみじみこう言った。
「…楽しかったな」
彼は
「ああ」
と映画の渋い俳優のように返事をした。

 がんばり屋のくせに、それを見せない照れ屋。
 そんな子が走って見せにきてくれたことが、教師として何よりも嬉しかった。

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 思春期の男の子の難しさとカッコよさを教えてくれた、忘れられない生徒です。苦手教科は誰でも持っているものですし、直前に無理に克服しようと時間を使うことがいいとは限りません。たまたま、彼の場合は教師同士の話し合いの判断で、好きなようにやらせてみました。

 今の時点で苦手教科があっても、それを気にしすぎないのがポイントです。苦手教科の中にも「できる分野」があるはず。テストの問題をざっと見て「できる分野」を確実に取りにいくように落ち着いて対処してください。

 ここまで来たらとにかく「やりきる」だけ!
 応援しています!  

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2004.12.25

「合格体験記」の効用。

 今日「マイ・ボディーガード」という映画を観てきました。小学生の女の子(ダコタ・ファニングちゃん天才!)に、水泳のトレーニングをしてきたボディーガード(デンゼル・ワシントン)が試合前にこんな言葉を掛けます。

「最初から強いかどうかは問題じゃない。鍛えたか、鍛えてないかだ。君は鍛えたか?」
「鍛えたわ!」
そうして、胸を張って水泳の試合に臨みます。実際、スタートダッシュを何度も繰り返すトレーニングをやっていました。

ふと、自分が受験前に掛けていた言葉を思い出しました。

「入試の会場で『あーもっと勉強しておけばよかった』という受験だけはするな。『ここまでやったからもういい』という自信を持って全て出しておいで。そこまでやって入れてくれへん学校なんか行かんでええぞ!」

―いわゆる「人事を尽くして天命を待つ」です。ホント、思い通りに行かない受験を相手にして子どもを責めない、悔いを残さないためにはとにかくやらせきるしかない。毎日のように声を掛け続けます。「で、今すぐ入試やっても大丈夫か?全力出してるか?」と。

 同時に、イメージトレーニングも大事だと思っています。毎日トレーニングをしつつ、成功イメージを描くこと。超現実主義の私ですが、意外とこういうものの効果も大事だと考えています。そのために何をするか…私は「寝る前に合格体験記を読め」と言っていました。行きたい学校に行った先輩の体験記、苦手教科や成績が似ている人の体験記。読むと力が湧いてくるはずです。実際、健康食品が売れるのも同じような理屈なのですが、とにかく体験記の持つ力は侮れません。

 この時期になって体験記だけ読んで努力もしないでぽーっとしてる、甘い夢だけ見てるおバカさんはいないでしょう。自分も同じ体験がしたいと思えば、「今、何をするべきか」が自然に心に入ってくる。私も授業中にたくさんの生徒の合格体験を話してきました。(よっぽど浮かれている子には『成績よかったのに直前に怠けて第一志望に滑った子の話』もわざと深刻そうにします)個人情報に触れる部分は出しませんが、これからしばらくの間「塾講師の合格体験記シリーズ」を続けて書いてみようと思います。

 1回目は、算数が苦手だったちょっとクールな男子生徒の合格エピソードを書いてみようと思います。

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※俳句編追加しました。

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2004.12.04

高校推薦入試・哀歓。

 いつも中学入試寄りに書いていますが、今日は高校入試の推薦について書いた前の文章を掲載します。事情はそれほど大きくは変わっていないようです。文体が違うのは夕刊紙対応なのでご理解を。

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 「高校推薦入試・哀歓」 2001.12 大阪新聞

 12月には学校での3者面談が行われることが多い。この時期は塾の先生も緊張する季節である。なぜなら「A高校に行きたい!」という思い一筋で、学校からの推薦を勝ち取ろうしていた子たちに、学校内予選の結果が下されるからである。

 それぞれの高校から提示された「通知表の平均が5段階評価で4.2以上」「生徒会活動や部活動などで優れていた者」などの基準があり、塾でもそれを把握して毎回の定期テストで叱咤激励し、部活動も最後までやらせたりなどのサポートをする。中学校ごとに与えられている数名の枠に入りこめたら、私立高校はほとんど無試験同様で合格決定である。その後は面接や作文の練習程度で大丈夫、というケースが多い。

 塾には同じ中学校で同じ志望校の子が毎年数名いる。そしてその中学校に与えられたA高校の推薦枠が2名の場合、何とか2人ともこの枠にねじ込みたい。ただ、悲しいかな他にも塾はあり、同じようにがんばらせているわけだからそんなに甘くはない。

 「先生、推薦取れたよ!」という明るい声の電話があったかと思うと、面談当日の夜になってもかかってこない場合もある。恐る恐るかけてみると、案の定推薦が取れずにへこんでいたりする。そんな生徒にいつも言う台詞がある。

もっと勉強せえって誰かが言うてんねん、もうちょっとがんばろな。一般入試まで勉強した方が、高校入ってから困らへんで」

 ここで奮起して一般で受かった子も多い。最初から推薦を考えていない子達より、先に痛い目に会っているので真剣さが違う。

 一方、推薦が取れた子はたいてい思いっきりダラけてくれる。塾も休みがち、冬休み講習にも来ないので利益上も痛い。学校の勉強に重点を置いていたせいもあり、本番の試験に耐える学力も根性も無いまま入学してしまう。入ってから苦労している子も多い。もちろん全員が怠け者になるわけではないのだが、この落差を毎年ひしひしと感じてきただけに推薦制度に疑問を持ってしまう。

 思春期の2ヶ月の価値は大きいはずだ。勉強が本分でありながら、大人の長い休暇ばりにのんべんだらりと生活されると腹が立ってくる。いい生徒を早い段階で取りこんで数を読みたい私立高校サイドの言い分も理解できるが、推薦でもきっちり試験を受けさせ、「落ちるかも」という危険性をはらんでおいてほしい。実際、いくつかそういうスタイルの学校が増えてきてもいる。

 そりゃ、塾の本音はさっさと合格を決める生徒が多い方が他の子に労力が回せて楽なんやけど、推薦を獲得したとたんに態度を変え、追い込みの時期にチャラチャラされるのは我慢ならん!勉強はやってやり過ぎることはないねんで、と高校英語と数学で苦労しただけについ口うるさくなってしまうのだ。


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 高校入試で推薦取れなくても大丈夫。取れたら取れたで真剣に勉強しておいた方がいいよ、という思いをこめて書いた文章です。中学入試でも学校推薦を取り入れるところが出てきましたが、あまり賛成はしないです。

 本番まで、どの学年でも受験生はまだ伸びます。その可能性を摘まないように、推薦制度も見直してほしいと思っています。子どもに楽をさせることばっかり考えてどーすんだ(泣)。

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 ◆現在発売中の「YOMIURI WEEKLY」にコメント寄せてます。
   小6の駆け込み受験についての特集です。

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2004.11.24

子どもの抑うつ。

 前のイベント授業で姿勢指南をしてくださった、米国式手技プロポーションクリニックの田中先生のコラムに「子どもの抑うつ」というコラムがあります。

 http://www.us-htpc.com/column/index.html

 体も寒さで縮こまる時期ですので、役立つと思います。ぜひ参考にしてください。

 受験が差し迫ってきたり、慣れない塾に入りたて宿題に追われたりすると、子どもに覇気が無くなっていく場合もあります。チックが出てくる子もいて、こういう場合は早めに「最低限やるべきこと」の絞込みや毎日の優先順位を見直すことも大事かと思います。

 1番心と体に悪いのは「ムダに思い悩む」こと。女の子の受験生で毎日のように「落ちたらどうしよう」「落ちたらどうしよう」ばっかり言いに来る子もいます。

 そんな時には、

 「落ちた時のことは今考えたって無駄やん。もし落ちたとしてもだーれもおこらへんし、心配しなくていい。ただここまでやったから、ブツブツ言ってる暇にやることやろうや。○○はやったんか?」

 …と言います。「落ちたとしても怒らない」これを言うのは勇気がいると思いますが、絶対に誰かが言ってやらないと子どもが追い詰められる一方です。少しでも子どもの心の「無駄な悩み」を排除して、健康管理をして集中させるのが周りの大人の役割です。

 ここで「○○」を具体的に指示する(「過去問の見直し」「漢字のテスト勉強」「時事問題の勉強」)のが、子どもの頭を切り替えさせるポイントです。それでも不安そうな時は、一緒に時事問題をやったり理科や社会の一問一答をしてやると楽しく勉強に向かわせることができます。問題を出したり出されたり。合間に「そんな難しいの知ってるの?偉いな」などと褒めつつ、子どもの気持ちを「やるべきこと」に向かわせます。

 最悪なのは親が必要以上に、成績や過去問の点数に過敏になってしまうことです。直前の模試の成績で「もうダメだ」なんて駆け込んで来られる方もいますが、模試は過去問に合わせて作ってくれてませんし、最後の伸びしろはまだまだ残っています。「やるべきこと」を見失わないのが一番です。

 少なくとも、子どもの前で絶対に「キレない」ことです。

 余談ですが、私の母親は私の高校時代にPTAで活動していまして、レベルが非常に低い学校なので京大や同志社を受ける私は注目度が高く(ちなみに京大は足キリを食らって受験すらさせてもらえず)、相当な噂に晒されていました。私はそのプレッシャーをもろかぶりした上に、せっかちな父親が「京都の下宿はすぐなくなるらしい」と受験前に勝手に学生マンションの敷金を入れてしまうという、何ともおバカで非常識な事態の中で本命受験の直前に熱を出し、枕元で「何でこんな大事な時に…」と母親に泣かれました。もう、ヨロヨロでしたが当日は必死で解きました(笑)。

 受かった後に、ものすごく深いため息と共に母親が「よかった……」というのを聴いて、まぁ彼女なりにイヤなプレッシャーを受けてたんだろうなと同情しました。しかし、こんなこと言えるのも高校生だったからであって、小学生の時に同じことされたら絶対に12月ぐらいで鬱になってたはずです。

 食事をしながら、しょうもないため息をつくのは厳禁。それから他の子どもの噂話なんかしちゃダメ。他の親も気にしない!他の子も気にしない!やるべきことはタダ一つ。毎日を大事にして、それから先ほどのコラムにあるように一日に一度は子どもの体のコリをほぐしながら、がんばってほしいと思います。


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 ◆くろねこ国語塾・イベント授業◆
  http://www.kikaku-ya.net/kuroneko/school.htm
  11月28日(日) 大阪・梅田
  小4「国語を楽しむ!親子講座」/小5「記述問題のコツ」
  5年の記述は今から少し触っておくと後が楽かも。小説と論説、両方やります。  

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