2009.04.19

「日本一やさしい国語の授業」

 4/18発売の「プレジデント・ファミリー」6月号の「日本一やさしい国語の授業」(P40~41)の漢字担当で参加しています。内容は、漢字が苦手な子に「好きになってもらう」ためのゲームや考え方が中心になっています。

 

 

 

 

 

 過去の記事が参考になると思いますので、掲載しておきますね。

 

「子どもと遊ぶ!漢字ゲーム(1)」
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2003/12/post_2.html 「子どもと遊ぶ!漢字ゲーム(2)」
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2004/07/post.html 「漢字学習のツボ(1)~短文で覚えよう」
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2005/03/post.html 「漢字学習のツボ(2)~でっかく書こう」
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2005/03/post_1.html 「語句の意味の教え方」
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2005/03/post_2.html

 

 取材では実際にライターさんと編集の方と一緒に漢字ゲームをやり、3人で唸ってました。大人がやっても本当に楽しいです。記事の中で紹介している「漢字博士」はここでも何度か紹介した楽しいカルタです。写真に写っているものは、実は私が小学校の時に母親に買ってもらい、ずーーーっと使っているものです。小学生たちとかなり遊びました。

 

 

 

 「四字熟語」のカルタもあります。手で部首同士をくっつけて悩んだり、取り替えたりして悩む過程や、何人かで囲んでキャーキャー言うことに、意味があるので、家族のコミュニケーションに取り入れてみてください。大人同士でも楽しめます。

 

 また「ノートに覚えさせておくために、きれいな字で1回だけ書く」話の流れから、私の高校時代の日本史ノートを見せたところ、写真で掲載されていました。当時の日本史の教師の似顔絵が載ってるので、ちょっと気まずいです。これは「菅野の日本史」という実況中継本の影響で、「見開き1ページに1時代の内容を全てまとめる」作業をしたもの。1ページには収まらず、ノートは3冊になりました。

 

 この作業を通じて私が身につけたのは、「編集能力」です。

 

 教科書、参考書、問題集、資料集、過去問を見渡し「出そうなところ」に絞って、ペンでいきなりノートにまとめる。今見たいに「消えるペン」はありませんので、紙面構成を大まかに頭で考えて書き始める時に、緊張感があります。自分が苦手な近代史や覚えにくい数字は太いペンや蛍光で囲って目立たせる、出そうにない項目は捨てる。この作業をする時、出題者側の思考回路になります。私はこの作業が楽しかったので、自然と塾講師の仕事にたどりついたのかもしれません。

 

 今も、ビジネスセミナーの講師をしています。身につけてもらいたい内容を1回全部白紙にメモ書きし、取捨選択をしてわかりやすく編集し、教材や講座に仕上げていく。やっている作業は、当時と変わりません。情報を集めて、自分が覚えたり人に説明したりするために編集して伝える。「自分ノートの編集長になる」と考えれば、作業が楽しくなります。

 

 「勉強」を問題を解く・理解するための「考える時間」と、暗記のためのツールやノートを作る「作業の時間」に切り分け、勉強時間にメリハリをつけると能率が上がります。

 

 編集能力の話を、別の観点から続けましょう。

 

 人には基本的に「情報を編集する」癖があります。恋愛中なら好きな人のちょっとした一言が気になる。車を買おうと思うと街を走る車が気になる。情報は、無意識のうちに選ばれて脳の中に入ってきます。子どもは自分の興味のあることに、素直です。

 

 授業中にオモロイ話をして人気がある先生は、子どもの頭が「オモロイこと」だけをピックアップして編集しがちだということを知っておかねばなりません。ホンマに覚えておいて欲しいことが、爆笑ネタ1つで吹っ飛んでしまう。ゲラゲラ笑ってる男子の横で、真面目な女の子がいやーな顔してることもあるのです。

 

 逆に、子どもを見る時も「編集フィルター」がかかります。「落ち着きの無い子や」と思って見ていれば、そんな場面しか目に入らない。実は、1つのことをかなり集中してやっている時間もあるのに、そこを見ようとか褒めようという気持ちになりにくいのです。

 

 「先入観」や「偏見」のフィルターを外すのは難しいものですが、たまには1回リセットして別の視点から編集してみると、物の見方や取り組み方が変わります。

 

 漢字を嫌いだというフィルターを1回外して、「おもろいパズル」だと思えばいいのです。誌面で紹介した「口を探せ!」は、漢字の中に部品が隠れているという考え方で取り組みます。また、「漢字テキストや問題集が必要」というフィルターを取り払って、「家の中の漢字探し」という視点で探してみます。チラシ、商品パッケージ、説明書。あちこちに漢字が隠れています。全てが漢字を好きになるきっかけであり、テキストになります。そして「生活する上で必要」な漢字なのです。

 

 「今日は食べ物に関係する漢字を探そう」という編集脳で1日を暮らすと、たくさんの文字が目に飛び込んでくるはずです。「プレジデント・ファミリー」の表紙にある「食卓」「行楽」は食べ物イメージを喚起します。「言葉漬け」で私は「漬け物」をイメージしました。くだらないと思わず、日常の中の漢字を子どもと一緒に発見する中で、子どもは親しみを覚えるようになります。

 

 さらに、アドバイスとしては「木のつく字の達人」とか「体のつく熟語達人」のように、ピンポイントで得意なネタを作ることです。電車好きな子は、鉄道周りの漢字を覚えていきます。動物好きな子は、「猫」「犬」などの漢字から知識を深めていきます。

 

 そして、塾や学校の漢字テストは最大限に活かすこと。そのためには無理をしないこと。苦手な子は、学校の漢字テストにまず注力します。塾には事情を話して、学校の漢字テストに自信が持てた時点で力を入れ始めればいいことです。

 

 目で覚えるのは、不可能だと思ってください。手を動かして、書いて覚える。大人だって、パソコンの普及ですっかり手で漢字が書けなくなっています。私もあまり威張れた状況ではありません。

 

 毎日の漢字の出会いを、親子で楽しんでください。
 特にメソッドというほどのことはありません。
 ただ、シンプルに「好きになる」ことから。
 
 漢字ゲームはホンマにおすすめです!

 

 

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 雑誌には、以前にここでご紹介した「学びの森 国語学習塾フォレスト」の竹中先生と「国語塾KURU」の西原先生も掲載されています。参考になりますので、国語が苦手なお子さんをお持ちならぜひチェックしてください!

 

 最近は、高校の進路講演会や性教育を手がけています。現場に行く度に、全てにおいて「コミュニケーション能力」が足りないと感じる日々です。性教育では、携帯小説風の文章を使って「あなたならどうする?」を考えさせるプログラムを作りました。普段はなかなか静かに聞かない学校でも、成果がありました。高校生の4割が性行為を体験している中、必要性を痛感しています。お気軽にお問い合わせ下さい。
  
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2008.04.16

国語講師の予習について

 ご無沙汰しています。何とか育児も5ヶ月を過ぎ、慣れてきました。
 
 塾講師の方から質問があったので、「予習の仕方」をまとめてみます。先生によって授業の考え方や予習法は違うため、あくまで参考程度にしてください。


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 学校教師ほど指導案にうるさくないのが、塾講師。カリキュラムは多くの塾でテキストのページ割り振りだけで、細かい到達目標や授業の進め方まで作っている塾は少ないはず。前にも書きましたが、そもそも塾業界で「国語」という教科は「文系やったらやれるやろ」となめられがちです。

 私が数箇所行った塾では、ある程度のカリキュラムとマニュアルはありましたが、テキストのどの文章を取り上げて授業に使うかは任されていました。

 校長になって2年目ぐらいの頃。授業数と業務が多過ぎて、自分の授業の質が激しく落ちました。生徒に解かせている間に自分も解き、即席で解説を構築して授業するという酷い状態が週に何日も。それでも生徒の「わかる」を引き出せている、あいつら成績伸びてるやん、と言い訳していました。

 ただ、この方法もまったくダメではなく、メリットも少しはあります。国語演習は「解いた文章が記憶に残ってる間に解説」するのが効果的なので、夏休み講習前にみっちり予習した文章より印象は鮮烈です。さっき思わず間違えかけた選択肢は、おそらく生徒も引っかかりやすいところ。解説のポイントとして強調します。

 それから「解いている生徒」を見るのは授業を作ったり、生徒個人の力を伸ばしたりするには向いています。机間巡視をして、空欄や記述の解答、解く時の態度を見て回っておきます。

 私は「本日のお土産」として、言葉の意味や対義語・文学史ネタをいくつか持って帰らせるようにしていたので、それも解きながら確認します。怒るプロ教師の方が山ほどいると思いますが、私は電子辞書を授業に持参していました。生徒から思いがけない質問を受けた時、「ほな調べるわ」と済ませる方がロスが少ないからです。漢和・和英・英和・広辞苑が入った電子辞書で、外来語が含まれる論説文も多いので重宝しました。

 しかし、電子辞書を「授業時間でやっつけ解説を作るため」に使っている状態は自分でも情けなくなる日々でした。予習はしたい、でも時間が無い。塾を退職して非常勤講師として久々に授業を持った時、めいっぱい予習ができる幸せを感じたものです。

 塾講師は、学校の国語とは違って1つの文章にこだわっている時間はありません。大事なのは「今日の授業は実力をつけるために、どんな役割を果たしているのか?」を考えて、授業を組み立てることです。

 まず、年間カリキュラムとテキストを見通す。

 文章読解は週に宿題を含めて2~3問ペースだな、論説文が2回出てくるな、漢字はこのテキストで定着させるんだな、あれ、俳句・短歌はまとめて1コマだけ!?(ホントにどこかの塾でありました)

 生徒が受験に太刀打ちできる学力をつけるのに、大きなポイントは「語彙力/読解力/解答作成能力」の3つの力。これに「スピード」が加わります。

 この力をつけるのに、必要な演習量はどれだけだろう?と考えると、テキストの使い方や宿題の出し方が見えてきます。このあたりは、過去記事が役立つと思います。

 トレーニング式・国語学習法~実践編
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2004/04/post_2.html


 私の初回の授業は「1週間の使い方」「宿題のやり方」「小テストの活用法」を考えて、紙にまとめて配ることから始まります。ルールを最初にきちんと決める。すでに新年度に入っていますが、現在の宿題の出し方が実力に直結していないなと思うなら、すぐにでも切り替えればいいのです。

 それから、個別の授業を生徒のレベルを計りながら組み立てます。「論説文」がカリキュラムだったとして「論説文」とは何かを解説するべきか、それ以前に線を引いて読む方法を教えるべきか、今回は素材が手強いから文章解説に全力集中するかを考えます。

 参考までに、私の平均的な授業の流れを示しておきます。

 ――――――――――――――――――――――――


 (1)テクニックを1つ板書 
    >選択問題、指示語、書き抜き、詩や短歌の基礎知識など
     ※過去記事一覧に、指導法があります。
     http://www.kuroneko-kokugo.com/study.htm

 (2)解説に入る前に、宿題の文章に出てきた語句や文学史を板書
    >小学生には「おみやげノート」を作らせていました。

 (3)解説する問題の小問に、配点とランクをつける
    >テキストの問題には配点がついていないことが多いので、50点満点設定で点数をつけてテキストに書き込むよう指示をしていました。

 ランクというのは「A:できんかったら恥ずかしい/B:平均点欲しかったら取りや/C:これできたら賢いで/D:できんでええ」というもので、関西弁なのは適当に地元の方言に直してください。小問が10あったら、「BとC」に解説のポイントを絞ります。よってAランクの漢字の書き取りや文法問題は、黒板にざーっと答えを書いておしまい。小刻みに教えるより、文法や知識問題だけやる日を作る方が効果的です。

 (3)宿題の文章と解き方を解説
    >授業で解説する宿題は(1)のテクニックが問題に入っている文章を選ぶ。無ければその場で問題を足し、解かせて納得させます。

 (4)合計点を出させて、聞き取りをする
    >テキストの宿題をいい加減にやってくるか、真剣にいい点を取ろうと思ってやってくるかは、学年が低いほど授業内での盛り上げにかかっています。

 神経質な女の子は間違えた問題を気にしますが、「Dランクやし誰もできてない」「みんなこのぐらいの点数なんや」と把握することで自信をつけ、国語の文章題は「全問完璧に解かなくてもいい」という取捨選択を覚えます。

 逆に「国語ギライ」を公言して努力しない子には「せめてAランクの問題は取ろう」と目標を示すことができます。

 ゲーム世代ですから、点数が出ることは大好きです。ただ課題を解説して丸付けをするより、ちゃんと配点をしてやるとぐっと意識が高まります。当然ですが、宿題は時間を計って解かせてきます。大問1つで15~25分の指示をしていました(どこかに書いたかもしれません)。

 時間内に解けなかった問題は、☆印を問題につけた上で解答してくるよう指導しています。点数を言わせながら巡回していき、「問5、あってるけど時間がなかってんな。読むスピード上がったら+10点やん!」と声を掛けます。この指導をしないと、生徒は時間を意識して解くこともせず、わからない問題を最後まで粘ることもしません。両方の力が必要なので「家で文章題を解く」際のやり方は口うるさく言っていました。


 ポイントをもう一度整理すると、
 
 ●宿題のルールを決める 
 ●1つの文章から「お土産」と「解説すべき問題」を抽出する
 ●ランクと配点をつける
 ●解説する問題を絞り込む>次回以降も使えるテクニックと連動させる
 ●得点を出させる>課題を認識させる

 このやり方で指導を組み立てていきます。

 あとは前にも書きましたが、いかに宿題をやらせきるかがポイントです。漢字を覚えるのも読解を重ねてスピードアップするのも、本人しかできません。

 参考:「強制力」というスキル
  http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2006/09/post_99d7.html

 子どもの「やる気」に火をつけ、燃え尽きないようにコントロールする力量が、塾講師に不可欠なスキルではないかと思っています。


――――――――――――――――――――――――

 慣れない先生は、完璧な板書ノートを見ながら黒板に写しているだけで授業が終わってしまい、一方通行になりがちです。予習をコッテリやり過ぎて、睡眠不足という先生も多いのでは。

 文章の内容解説は、落書き用の板書スペースを作ってそこに書きながら進めていくといいでしょう。文章の解説を写させたところで、彼らが問題と読み合わせて確認する機会は一生来ません。おそらく。ノートには次回からも使えるテクニックと、入試によく出る語句や知識が残っていればいいのです。

 そして、板書ノートを作る時間を生徒が受ける入試問題を解くことに使ってください。同じ学校を3年分続けて解くと、傾向が見えてきます。それを「これは大阪星光がよく出すタイプの問題やな」とか「平成17年の同志社香里で出た漢字や」などと授業の解説に盛り込むと、受験学年は特にテンションが上がります。受験学年でなくても、「大阪の公立入試はこういう文章が好きやねん」と言うと、中1や中2もぐっと身を乗り出してきます。

 本当は、ここで文章読解の授業を文字で再現するか、動画か音声で提供してみたいのですが、元の文章と問題に著作権があって難しいので断念しています。イベント授業でやった時には、星新一の文章で問題を作りました。

 ※余談ながら、NHKで放映中の「星新一 ショート・ショート劇場」はクリエイターのレベルが高くてビックリ。それ以上に「この話、ホンマによくできてる!」と改めて星新一の才能に惚れ惚れし、文庫本を買いに走りたくなります。
 
 
 長々と予習について書きましたが、「教師なのに答えを間違えて凹む」なんて誰でも通る道です。「君らが間違い見つけるか試してたんや~、よー見つけたなぁ」とごまかす、ベテランならではの図々しい対応を身につけるも時間の問題です。

 新人先生は生徒と一緒に成長する気持ちで、演習量の確保だけ忘れずに取り組んでみてください。


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2007.10.29

「国語力アップ」の教材紹介

 
 進研ゼミ中学講座の保護者向け資料「私立NEWS」

 

 詳細はこちらのサイトに掲載しています↓
 教育レポート/edurepo  http://edurepo.com/p=78

 

 

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 今日は、小学生向けの「国語力をつける」教材についてご相談がありましたので、少しだけ紹介します。受験をしないけれども、国語の力をつけておきたいので何をさせればいいかというご質問でした。

 

 お子さんのレベルを見てみないと的確な教材を指示しにくいのですが、FAX指導を行っている以下の塾があります。ここは教材から制作していますので、興味ある方は一度問い合わせてみてください。

 

◆ぶQ出版のFAX講座
http://www.bukyu.net/faxbq.html

 

 

 後は「読書」で国語を伸ばそうとするよりは、短いプリント問題で多様な文章に「設問に答える中で触れる」方法を勧めています。もちろん、読書に引っ張り込めればベストですが、そのためにはその子の関心や言語レベルに応じた書籍を提示する必要があります。図書館や大型書店に一緒に行き、どんな本に興味を持つかを観察してみるといいでしょう。

 

 多少の強制力を持って文章を読ませたい場合は、一緒に一枚モノのプリントをやって交換して丸つけをしたり、感想を述べ合ったりするといいですね。この「一緒に」が家庭で難しい場合は、個別指導の塾で国語ができる先生を当ててもらうのも手です。

 

「全国標準テスト国語読解力」(受験研究社)
 

 

 私はこのシリーズで、子どものレベルに合った学年の物を選びます。小5なのに小3のものをやらされると子どものプライドが傷つくかもしれませんが、それよりは「わかった・読めた」体験を重視して褒める機会を作り、どんどんと学年を上げて行くという目標を持たせてやります。

 

 同じ国語の文章を何回もやるのはムダなことが多いのですが、念のために演習の前にコピーを取っておくと、非常に出来が悪かったものを忘れた頃にリベンジさせて「本当に文章の意味がわかっているか」を確認することができます。

 

 後は作文を好きにさせるのに「短作文」のワークがお勧めです。ちょっと手に入りにくいのですが、京都女子小・中学校で指導をされている吉永幸司先生のものがお勧めです。

 

「作文の基礎力を育てる短作文のネタ 」 (吉永幸司/明治図書)

 

 パラパラとめくって、気分に合わせたネタでさらっとワークシートを埋める。いきなり原稿用紙に向かうより、子どもは喜んで取り組みます。

 

 後は、このブログにもちょこちょこ載せている漢字遊びや言葉遊びゲームを一緒に楽しんでみてください。私の大好きなアイテムは、コレです。

 

漢字博士No1 特別版(ユニデザイン)

 

 

 私は自分が子どもの頃から遊んでいたものを、塾に持って行って小学生とやっていました・

 

 見せられた部首カードに応じて、漢字が作れるカードをカルタのように奪い合う。
 「センセー、こんな漢字あるやろ!」と自信たっぷりに言われると「あれ…あったかも?」と教師なのに不安になることもしばしば。

 

 漢和辞典を横に置いて(この「辞書係」をゲームの勝ち負けで決めるとか、各チームに用意するなどルールは色々と工夫できます)取り組むと、一気に「知ってる漢字」が増えます。

 

 
 以上、参考になれば幸いです。

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2007.08.18

詩の授業・実況中継(4)~比喩

 
 「プレジデント・ファミリー」10月号の特集「『ラブラブ会話術』で国語の成績アップ」(p66~71)を担当しました。書店でご参照下さい。

 

 「ラブラブ会話術」については、このバックナンバーの記事が参考になると思います。
  ◆ラブラブ国語学習法
   http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2004/05/post_2.html  

 

 

 私は「プレジデント・ファミリー」を筆頭に、中学入試をむやみに煽る雑誌に否定的な見解を持っていました。実際、そのような記事を書いています。しかし、編集部の方とご縁があって話をする中で「地方で読まれている」「公立の教師やノウハウを取り上げている」という点で関心を持ち、お手伝いをさせていただきました。その経緯はこちらの記事で説明しています。
http://edurepo.com/?p=62  
 特集のタイトル脇に「関西の人気塾講師」とありますが、人気かどうかはともかくこの夏はこそっと小4の夏講を8日間やっていました。やっぱり、現場でないとわからないことは多いものです。そのあたりは、また折を見て書いてみたいと思います。

 

  
 それでは、詩の表現技法シリーズ(4)を続けます。
 >>前回の「詩の授業実況中継(3)」からどうぞ。

 

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 「詩にはリズムを作ったり、印象を強くしたりするための『反復法』や『体言止め』や『倒置法』があるのがわかったかな?じゃあ、詩のもう1つおもろいところをやろう」

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 イメージを伝える表現技法

 

 「比喩(ひゆ)」=「たとえ」

 

   似たところを持つものをつないで、イメージさせる方法

 

  例:やかんのようなハゲ頭

 

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 「はいはい、君らホンマにハゲネタ好きやな。笑ってんとちゃんと写してや。写した人から、ノートの隅に、ハゲ頭の人とやかんの絵を描いてごらん」(描かせます) 

 

 「そうそう…その2つの絵、どこが似てる?」

 

 生徒「形が丸い!」「つるつる!」「光ってるところ!」

 

 ※私も黒板にハゲ頭とやかんを描き、その横に生徒から出たコメントをメモします。

 

 「『やかん』は生き物じゃないし、『ハゲ頭』でお湯は沸かせへんやんか。でも、『やかんみたいなハゲ頭』って聴いたら、みんなつるつるのハゲ頭が頭に浮かぶやろ。これは『やかん』の持ってる『丸い形』『つるつるした手触り』『よく光る』という点が、『ハゲ頭』の持ってる『丸い形』『つるつるした手触り』『よく光る』という点と一緒だからやねんな。逆に『やかんみたいな口をして文句を言う』って聴いたら、どんな『口』をしてる人が浮かぶ?…こんな感じちゃうか?」

 

 (口をとがらせている人の絵を描きます)
 
 「これはやかんの口の部分のとがった点と、文句を言う人の口がぎゅーっと前に出る点が似てるから通じるねんな。こういう風に『似たものを並べてイメージさせる』方法を『比喩』とか『たとえ』と言います。作家や詩人はこれをめっちゃ工夫してるねんで。えーっと、比喩の『喩』は書けなくてもいい。テストで答える時は『比ゆ』で丸をもらえます」
※高校入試では書けるように!

 

 

 「でも、テストで『比喩』と答える問題はほとんどありません。『比喩』には3種類の方法があるので、そっちを覚えてちょうだい」

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

 (1)直喩(ちょくゆ)

 

   「ような」「みたいな」「ごとく」で直接たとえる方法

 

   例: 燃えるような暑さ/雪みたいなカキ氷/嵐のごとく怒る
 

 

=========================

 

 「はい、これは『直喩』の『直』という漢字に線を引いておきましょう。『直接』の『直』やね。似た2つのものを『ような』『みたいな』でくっつけてあるから、あ、比喩やなってすぐわかる。

 

 『暑い!』っていうのを『燃える』という言葉でイメージさせる。でも、ホンマに体が街が燃えてたら困るよな。火が燃えてるのと似てるぐらい暑いねん、というたとえを『ような』で作ってるねんな。『カキ氷』でも、雪をどっかから運んできてシロップを掛けて食べるわけじゃない。でも、あの白い細かい氷は雪に似てるよな。

 

 それから、ちょっと古臭い言い方で『ごとく』というのも覚えておこう。これも、オカンが怒るたびに家の中で嵐が起きたら大変や。でもそのぐらい勢いがあって恐い!というイメージが伝わるよね。じゃあ、みんなで直喩を作ってみよう」

 

 

 
==《板書※本当は縦書き》=============

 

 ◆直ゆを作ろう!
 
 1.〔      〕のような星空。
 2.〔      〕みたいに泣く。
 3.〔      〕のごとく走る。

 

 

=========================

 

 「このカッコの中に、それぞれ『星空』『泣く様子』『走る様子』と似たものを入れてみよう。ちゃんと人に伝わる比ゆになってるかな~。(時間をおいて書かせます)

 

 じゃあ、1番から行こう。将来、君らも彼女とか彼氏ができてドライブでも行くかもしれん。さぁ、星空がめっちゃキレイなところに着いた!その時に『何とかのような星空だね』って、カッコよく決めたいところやな。ほい、答えてや」

 

 

 生徒A 「割れたガラスのような星空」

 

 「確かにキラキラしてるところは似てるな。ちょっと切ない感じもしてええね」

 

 生徒B 「チョークの粉みたいな星空」 ※ホンマにいました

 

 「うーん、チョークの粉…細かい点々って感じはするな。でもデートで『今夜の星空は、チョークの粉みたいだね』って言われたら、彼女は帰っちゃうかも(笑)。もう一押し、光る感じを入れたいなぁ」

 

 生徒C 「宝石箱ような星空」

 

 「おぉ、いいねぇ!キラキラしてるし、女の子が『今日の星空って、宝石箱みたい!』って言うとまたカワイイねぇ。他にも色々あるやろけど、星空が持ってる『たくさんある』とか『キラキラ光る』という点に注目してたとえを考えるといいねんな。ついでに、将来、彼女と星空の下でデートする男子のために使える直喩を教えておいてやろう。2人で星空見てるやろ、その時にこうやって言うねん。…『君の瞳のような星空だね』

 

 生徒「気持ち悪いー」「そんなん言われたくないー」
 ※大体、評判悪いです。王道なのに。

 

 「あらそう?センセーはこんなん言われたら、もうどこにでもついて行っちゃうねんけどなぁ。…ほんなら2番に行こう。『~みたいに泣く』は何を入れた?」

 

 
 生徒D 「怪獣」

 

 「『怪獣みたいに泣く!』そりゃ大変な大声やね。これは弟か妹かだれかの泣き方をイメージしたんかな?…そうか、3歳の妹がいるんやね。ものすごい勢いで泣いてるンやろなぁ。見たこと無い人にも伝わるのは、上手な比喩の証拠。うまいなぁ」

 

 生徒E 「雨みたいに泣く」

 

 「こっちは静かな泣き方やね。しくしくずーっと泣いてるような感じかな?いいねぇ。はい、もう1人答えてもらおう」

 

 生徒F 「赤ちゃんみたいに泣く」

 

 「赤ちゃんってむっちゃ泣くから『先生が赤ちゃんみたいに泣く』やと、かっこ悪いほど泣いてる感じがするよね。赤ちゃん以外の人や大人に使うとええ直喩やね。よし、3番やろか」

 

 

 生徒G 「風のごとく走る」

 

 「ええねぇ、めっちゃ素早い感じが出てるなぁ。『ごとく』って古臭い言い方で慣れへんかもしれんけど『風のように走る』『風みたいに走る』って言い換えても同じ意味になるやろ。だから『走る』様子を似たものを入れれば、『風のごとく走る』ような渋~い比喩が作れます。じゃあ、他に書けた人」

 

 生徒H 「チーターのごとく走る」

 

 「これもいいね、チーターって走るのがむっちゃ速い動物やもんな。これが『亀のごとく走る』ではまったくスピードが出ないから、足の速い動物を選ぶとカッコよくなるよね。この『ような』『みたいな』『ごとく』が使ってある、ぱっと見て『あ、比喩やな』ってすぐにわかるのが『直喩』。しっかり覚えよう。今度は、ちょっとわかりにくい比喩を教えます」

 

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

  (2)隠喩(いんゆ)/暗喩(あんゆ)

 

   「ような」「みたいな」「ごとく」を使わないでたとえる方法

 

   例: 燃える暑さ/カキ氷は雪だ。/怒りの嵐
      君はバラの花だ。
 

 

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 「これはぱっと見た時に、特に『カキ氷は雪だ』って、ナンだ?って思うよね。で、よく考えると『あぁ、雪みたいだってたとえてんねんな』ってわかる。こういうわかりにくい比喩を『隠喩』とか『暗喩』と言います。『隠喩』の『隠』の字に送り仮名つけて読んでちょうだい」

 

 生徒 「隠れる」

 

 「その通り、ありがとう。『比喩』が『隠れている』から『隠喩』っていうねん。ノートにもメモしておいて。もう1つ呼び方があって『暗喩』という場合もある。これは『暗い』って字やから、ぱっと見てわかりにくいっていう意味。さっきと一緒で『喩』の字はひらがなでも丸です。

 

 もう1つ例を書いておいてんけど『君はバラの花だ!』っていきなり言われたらびっくりするやんか。ちゃんと人間の形してるのに、ホンマにバラの花が服来てウロウロしてたら恐いやろ。これは『君はバラの花のように美しい』というのを、隠喩で言ってるねんな。じゃあ、作ってみよう」

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 ◆隠ゆ/暗ゆを作ろう!
 
 海は〔      〕だ。
 
=========================

 

 「海に似たものをイメージして、『ような』『みたいな』『ごとく』を省いて入れてみてちょうだい。……はい、書けた人」

 

 

 生徒I 「海は青空だ」

 

 「海の『青い』ところと、空をくっつけてんな。波が白いところは、雲みたいに見えるよねぇ。ええなぁ。はい、他に誰か」

 

 生徒J 「海はお母さんだ」

 

 「これは『お母さん』のどういうところを海に似てると思ったの?」

 

 生徒J 「魚とか貝とか、色んなものを育てているところ」
 ※過去に1人、この通り答えた生徒がいました。

 

 「素晴らしい!お母さんが君を育ててくれるところと、同じやなぁって思ってんな。うまいなぁ……『海はお母さんのようだ』って直喩で言っても意味は一緒やけど、『海はお母さんだ』って隠喩で言う方がカッコいいね。作文や詩を書くときに使ってみると『おっ、コイツやるなぁ』と思われるかも。……よし、3つ目の比喩をやろう」
 
 
==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

  (3)擬人法(ぎじんほう)

 

   人ではないものに、人の動きをさせる方法

 

   例:太陽が怒っている/風が葉っぱと遊んでいる。
 

 

=========================

 

 「太陽に『ちょっとウチ機嫌悪いねん、怒ってるでー』という感情はないよな。でも、めっちゃ暑い日に太陽がギラギラしているのを『怒ってる』と人の様子を真似して書くと、表現に工夫があるよね。擬人法の『擬』の字は、『まねする』という意味の字。『人じゃないのに、人のまねをさせる』ことで、生き生きした感じになります。入試では『ぎ人法』と『擬』はひらがなで書いてもオッケーやけど、できれば書けるようにしておいて」

 

 ※高校入試まで『擬人法』と『活喩法』(『風が吠える』など、無生物に生き物の動作をさせること。人の動きとは限らない)は分けて教えません。
  

 

 「それでは擬人法にチャレンジしよう」 

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 ◆擬人法を作ろう!
 
  ひまわりが〔      〕。
 
=========================

 

 「ひまわりの花にどんな人間の動きをさせようかな…はい、答えてもらおう」

 

 生徒K 「ひまわりが笑っている」

 

 「おぉ、元気のいいひまわりやね。あの大きな花がどーんと咲いて、風で揺れてる感じがするなぁ。他の人はどう?」

 

 生徒L 「ひまわりが落ち込んでる」

 

 「これは、どんな時のひまわり?」

 

 生徒L 「枯れかけて、だらんとなった時のひまわり」

 

 「よく知ってるね。そうそう、ひまわりって枯れる頃になると花の部分に種ができて重いから、首がぐにゃっと垂れたみたいになるねんな。これを『落ち込んでる』人の動作にたとえたところが素晴らしい!他にも『話し合いをしている』とか『気をつけをする』とか…みんな、色々おもしろいの書いてるね。

 

 作文を書くときに『プールに行って楽しかったです』と書くより、どんなに楽しかったのか、暑さや水の冷たさはどんな感じだったかを覚えておいて、ここにある直喩・隠喩・擬人法を使って書いてみると、自分だけの作文になるから、ちょっと意識して使ってみよう。それから、物の音を真似して作る『擬音語』、様子を真似してつくる『擬態語』も入れてごらん。めっちゃええ文章になるから」
 
 ※比喩の後に「擬音語」「擬態語」を教えて表現技法は終わりです。
  ここは前に書いたので、こちらを参照してください。

 

 ◆擬音語/擬態語をジャイアンに学ぶ。
 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2006/11/post_edac.html  

 

 「そういうわけで、宿題は今までに習った表現技法をぜーんぶ使って日記を書いてくること。ほい、どんな表現技法を習ったんやった?ノート見るのはナシやで」(どんどん当てて答えさせる)

 

 「日記を書いてくることと、次回は表現技法の小テストもあるので覚えておくように。これからは『とろけるような何とかゼリー』なんてコマーシャルを見たら『あ、これ“直喩”やな』ってわかるはず。表現技法を意識しておいてちょうだい」
  

 

 
=========================

 

 本当はこの後に詩の分類を教えるのですが、つまらないので省略。参考にそれぞれの比喩を使った歌詞や詩のフレーズを並べたプリントを配ることもあります。

 

 比喩とは似た要素をつかまえることなので、その練習に「○○とかけて△△と解く、その心は~」の穴埋めをやることがあります。

 

 生徒が作った名作としては、 

 

 「試験問題とかけて、ドラえもんのポケットと解く、その心は?」というものでした。

 

 私もこれは答えられず、ギブアップ。
 「何が出るかわからない」という答えでした。降参。

 

 子どもの比喩の奔放さ、発想の豊かさには本当に感心します。
 ぜひ楽しんでください!

 

 

================

 

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2007.06.13

詩の実況中継(3)~体言止めと倒置法

 「読売ウィークリー」のリレーエッセイが、現在発売中の号に掲載されています。

 

 詳細はこちらのサイトに掲載しています↓
 教育レポート/edurepo  http://edurepo.com

 

 
 では、詩の表現技法の授業を続けてみます。
 >>前回の「詩の授業実況中継(2)」からどうぞ。

 

=====================

 

 

 「反復法と対句法を覚えたかな?そんなら、次の表現技法に行こう」

 

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 (3)体言止め(名詞止め)

 

   物の名前(体言)で終わって余韻(よいん)を残す方法。

 

   例:古池や 蛙飛び込む 水の音
 

 

=========================

 

 「写した?…ここでちょっと復習をしよう。『体言』って前にやったな。物の名前を表す『名詞』やその代わりをする『代名詞』の別名やね。じゃあ、その反対の『用言』って何のことやったっけ。そうや、このクラスには『用言係』(※)がおったな」

 

 生徒A 「先生、ボクや」

 

 「そーや、まだ覚えてるか?じゃあ、みんなに教えたって」

 

 生徒A 「『動詞・形容詞・形容動詞』!」

 

 「素晴らしい!よっしゃありがとう。…『体言』は名詞・代名詞。これに『~が』や『~は』をつけたら主語になるねんな。で、『用言』は『動詞・形容詞・形容動詞』。これは文の終わりにおって、何になることが多いんやったっけ」

 

 生徒B 「『述語』です」

 

 「せやな。時々こうやって、前にやったことも思い出しといてな」 

 

 

 ※用言係…私の授業では、国語があまり得意でない子の“見せ場”を作るために、こういう小さな係を作っていることがありました。他には「文の成分係」「『の』の分類係」など。そこだけ集中的に覚えさせて、国語に自信をつける最初の一歩にします。ちなみに「切れ字係(『ぞ・や・かな・けり』)」が一番人気が無かったです。

 

 

 「ほんなら、黒板に戻ろう。この『体言止め』ってのは『名詞止め』と同じ意味。どっちを書いても○がもらえます。どんなんかと言うと、とにかく名詞・代名詞でぴたっと文が終わること。例えば、この例の『古池や 蛙飛び込む 水の音』は、普通の文やったらどうやって終わる?」

 

 生徒「『水の音がした』?」

 

 「そうそう、『音がした』とか『水の音が聞こえた』とか。でも、この俳句がそれで終わったら、ちょっとカッコ悪いよな。『古池や 蛙飛び込む 水の音がした』では、だらしない感じがしてしまう。ここを『音』でぽん、と止めるから、エエ感じが残るんやね。この“残ったエエ感じ”のことを難しい言葉で『余韻』って言うねん。読み方は覚えておいて。

 

 

  『余韻』って言うのは、そうやな、ピアノの鍵盤をポーンと叩いて指を離した後も『わーん』と何となく音が残ってるやんか。それに似てる。体言の『水の音』で止められたあと、あぁ水の音ってどんな感じやったんかなーと頭にふーっと残る感じをイメージしてちょうだい。

 

 『窓の外は雨だった。』って言うより、『窓の外は、雨。』と止める方が…何となく、しみじみするやろ。これが『余韻』。体言止めを使うとリズムもカッコよくなるし、味わいも出るねんな」

 

 

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

 (4)倒置法(とうちほう)

 

   正しい語順からひっくり返して印象づける方法。

 

   例: 走る、犬が。/ 星が光る、キラキラと。
 

 

=========================

 

 「これは、漢字でしっかり書けるように覚えてな。字を見てみよう。上の字に送り仮名をつけて、訓読みしてちょうだい」

 

 生徒「『倒れる』」

 

 「『たおれる』でええけど、もういっちょ、別の送り仮名でも教えて」

 

 生徒「えーっと『倒す』…かな?」

 

 「ありがとう、そっちの方がこの意味には近いねん。みんなノートに写した『倒』の字の横に『たおす』って書いてちょうだい。…じゃあ、『置』の訓読みは?」

 

 生徒「『置く』」

 

 「その通り。はい、『おく』って横に書いてね。…『倒置法』ってのは『倒して置く』方法って意味やな。じゃあ、何をひっくり返して置くねんって話やねんけど、ここに書いてある通り『語順』つまり『言葉の順序』をひっくり返しちゃうよ、という意味です。例を見ると『走る、犬が』と書いてある。でも、これって普通はどんな順番で読む?」

 

 生徒「犬が走る」

 

 「そうやね。『星が光る、キラキラと』は?」

 

 生徒「星がキラキラと光る」

 

 「ありがとう。これは『キラキラと星が光る』でも意味は通じるね。こんな風に『あれ?普通の言い方と言葉の順序が変だな?』というのが『倒置法』。使うと、読んでる人をドキっとさせるよね。例えば、高村光太郎という人の『ぼろぼろの駝鳥』という詩があります。今から配るから、ちょっと一緒に読んでみよう」

 

 ※著作権の問題で掲載はパスします。 

 

 

 「『…これはもう駝鳥じゃないじゃないか。/人間よ、/もう止せ、こんな事は。』…さて、どこに『倒置法』が使ってあるかな?」

 

 生徒「最後のところです」

 

 「そうやねー。これ、ずーっと高村のオッちゃんは怒ってるワケやね。大自然の中にいるものを、人間の都合で狭いところに押し込めて、ええんか?ってずーっと疑問形で怒ってる。最後に『人間よ、こんな事はもう止せ』って言うより、『もう止せ、こんな事は。』とひっくり返して言われると、『あ、止めなあかん。なんかめっちゃ怒ってはる』と作者の言いたいことの印象が強くなる。

 

 …みんなが自分で読んでそう思うかは、人それぞれやからええねんけど、『倒置法』を使うと、言いたいことが強調されるってのは覚えておいてちょうだい。

 

 

 『体言止め』と『倒置法』は、普通の文章と違うリズムを作って、余韻や強調の働きをするんやなというのがここまでのポイント。他に、詩のリズムを作るのには『韻を踏む』という方法がある。これは入試には出ないけど、一応書いておこう」

 

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

 〔おまけ〕韻(いん)を踏む

 

  同じ、または似た発音の語を使う

 

 (例)寝ているイルカ/夢みているか
    チカン アカン      
 

 

=========================

 

 「この『寝ているイルカ/夢みているか』は『いるか』って発音が一緒やけど、意味は違うよね。後の方の『いるか』は『いるか?』という疑問やな。これは谷川俊太郎という人の詩で、また後で配るから見ておいてください。声に出して読むと面白いよ。

 

 もう1つの『チカン アカン』ってのは、詩じゃなくて駅でよく貼ってあるポスターやねんけど(笑)。関西人にしか通じへんけど、『痴漢』って発音と『あかん!』という発音がよく似てるから、並べたらリズムもええよね。ちょっと駄洒落に近いけど、発音が似てる言葉を使うとリズムが面白くなるから探してみよう。

 

 じゃあ、今から落書き用のスペースに書く条件の言葉を、探して書いてちょうだい」

 

 

==《落書き用板書》=============

 

 ・「ん」で終わる
 ・3文字の言葉
   ※小さな「っ」「ょ」は数えずに

 

 (例)みかん

 

=========================

 

 生徒「えー何やろ」(しばらく書かせます)

 

 「はい、じゃあ見つけた人、どんどん手を挙げて」
 

 

==《落書き用板書》=============

 

 きけん(危険)/しけん(試験)/きほん(基本)/きげん(機嫌)
 ふまん(不満)/ふあん(不安)/よかん(予感)
 かめん(仮面)/うどん/みれん(未練)/じゅもん(呪文)
 オカン/オトン/あかん/知らん/いらん/やらん(関西弁枠)

 

=========================

 

 ※こういうのがウワーッと出てきます。

 

 「よっしゃこのぐらいえええかな。この言葉って、もともと発音が似てるから並べるだけでも詩みたいになるで。どれを選ぼうかな~…よっしゃ、こんなのどうや」

 

==《落書き用板書》=============

 

 今日の試験
 どうもあかん
 オカンの機嫌
 かなり危険

 

=========================

 

 生徒「何やそれ」 ※いいのが出てこないと苦しみます
 
 「まー、詩として芸術作品かどうかってことは置いといて、尻尾の発音がそろってるからリズムが出るやろ。これを『韻を踏む』っていうねん。もっと言うと『試験、あかん、オカン、危険』だけでも意味がわからんこともない。ますますテンポが良くなるやん。

 

 ちょっと宿題にしておくから、『あ』で始まる4文字の言葉を並べるだけで、詩を作ってきてください。言葉と言っても『朝焼け』みたいにきちんと終わって無くていい。『朝だね』でも4文字やし、『明日は』でも4文字。とにかく『あ』で始まることと、1行が4文字で作ってきてちょうだい」

 

 生徒 「先生、辞書使っていい?」

 

 「もちろん、ええよ。ぜーんぶ『あ』で始まる4文字ずつの詩やで。楽しみにして待っとくわ」

 

 

 
=========================

 

 

 今回は2つの表現技法と、発音が作る詩の面白さを伝えるようにしています。時間的に余裕が無い場合は韻の部分を飛ばしますが、実はここが一番面白いところです。

 

 課題は「頭韻」を使った詩を作らせるというものですが、言葉遊びの範疇です。それでも、たまに素敵な詩が出てくることもあり、こういった課題を出すのが好きでした。

 

 自分で今作ってみると、こんなのしか浮かびません。

 

 

 あしたが (明日が)
 あめでも (雨でも)
 あなたに (あなたに)
 あいたい (会いたい)

 

 …なんかおセンチだなぁ。

 

 

※この課題の回答、コメント欄でいただけると嬉しいです。
   

 

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2007.05.10

「詩の授業・実況中継(2)」~反復法と対句法

 現在発売中の「読売ウィークリー」の特集「中学受験『塾選びの極意』」でのコメントと、61ページのリレーエッセイを担当しています。

 

 詳細はこちらのサイトに掲載しています↓
 教育レポート/edurepo  http://edurepo.com

 

 
 さて、詩の授業を続けてみようと思います。
 >>前回の「詩の授業実況中継(1)」からどうぞ。

 

=====================

 

 

 「じゃあ、表現技法をやっていこう。さっき、詩には『リズム』を感じるって言ったよね。詩をカッコよくするには、リズムを作るための表現技法が使われるので覚えよう。黒板に書くのを写してちょうだい」

 

 

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 表現技法

 

 リズムを作る表現技法

 

 (1)反復法〔くり返し法〕

 

   まったく同じ言葉、文をくり返して印象づける方法。

 

   例:さいた さいた チューリップの花が
 

 

=========================

 

 「はい、黒板写したかな?この『表現技法』の『技法』って意味がわかるかな?…わからへん?じゃあ、『技』の別の読み方教えてくれへんかな。わかる人!」

 

 生徒「『わざ』です」

 

 「そう!『技をかける』の『わざ』やな。だから表現をする時の『わざ』って意味やねん。もう1つ、『法』を使って別の熟語を作ってくれるかな」

 

 生徒 「法律」「法則」「方法」
 ※出た分だけ、落書き用の板書にメモします。

 

 「ありがとう。この中で、技に一番近そうな意味はどれかな……うん、『方法』が一番ええね。『表現技法』っていうのは、表現をよくするための技・方法という意味です。で、黒板に書いたのはその表現をカッコよくする方法の中でも、リズムを作るのに使える方法な。最初に覚えて欲しいのは(黒板を指す)これ、何て読むか読めるか?」

 

 生徒 「『はんぷく』」

 

 「よっしゃ、その通り。スポーツテストで『反復横とび』ってあるやろ。横とびを何度もくり返すヤツ。『反復練習』なんて使い方もする通り、『反復』は『くり返す』という意味がある。だから、この表現技法は『くり返し法』っていう別名があるから、一緒に覚えてちょうだい。テストではどっちを書いてもええよ。

 

 反復法ってのは、例の『さいた さいた』の部分に線引いてみて。ここに使われています。ただ『さいた』という言葉を繰り返しただけ。でも、一回しか言わないより、くり返すと調子出るやん。例えば、『でんでんむしむし かたつむり』って歌でも、『でんでんむし かたつむり』より『むしむし』ってくり返すと歌っぽい。さっきのスーパーでかかってた『さかな さかな さかな~』もそうやな。

 

 反復法は、テンポが良くなるっていう長所もあるけど、もう1つは同じ言葉を二回以上くり返されると、『お、大事なことかな?』って印象に残りやすいんやね。だから選挙の時期なんかめっちゃうるさいやん。『山田太郎でごさいます!山田太郎!山田太郎!』って何回言うねん、ってぐらい騒いでるやろ。何回も言って覚えてもらおうってことやねんな。

 

 同じ言葉や文が、そっくりそのままくり返されていたら反復法。またはくり返し法。しっかり覚えてちょうだい。
 

 

 さて、次のヤツな。

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

 (2)対句法

 

   似た言葉、文を並べて印象づける方法。

 

   例: 黒ヤギさんから お手紙 ついた       白ヤギさんたら 読まずに 食べた  

 

=========================

 

 「はい、写してちょうだい~。この歌知ってる人、手を挙げてごらん。お、結構いるな。『黒ヤギさんから お手紙 ついた 白ヤギさんたら 読まずに 食べた しーかたがないので おーへんじかーいた さっきの 手紙の ご用事なあに♪』って曲やな。多分、白ヤギは手紙見た瞬間『うまそう!』と思ったんやろな。食べてから『はっ!しまった!』となって、手紙を書く。でも、この曲の続きは『白ヤギさんから お手紙 ついた 黒ヤギさんたら 読まずに 食べた』……って、終わらんやん(笑) それはともかく、この歌詞は出だしの2行に表現技法が使われているので覚えておこう。

 

 『黒ヤギ』と『白ヤギ』
 『から』と『たら』
 『ついた』と『食べた』

 

 ノートのここに線を引いてな。この2つの文、よーく似てるけどちょっとずつ違う。この違うところが、続けて読むと面白い。こうした『よーく似た言葉や文を並べてリズムを出す』方法を、『ついくほう』と言います。読み方わからん人はちゃんと書いておいて。『対句法』の『対』ってのは、『セット』という意味。だから『句』をセットにする方法という意味なんやね。

 

 黒ヤギさんと白ヤギさんをセットにしましたよ、面白いでしょ。というのがこの例。どれだけそっくりな句でも、一字でも違ったらさっきの『反復法』にはならないで、この『対句法』になります。しっかり覚えてください。

 

 
 この、対句法だけでできた素晴らしい詩があります。せっかくなので、黒板にめちゃめちゃキレイな字で写してください。先生も、ちょっとがんばってキレイに書くから。

 

 

==《板書※本当は縦書き》=============

 

 

  雪          三好達治

 

  太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ。
  次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ。  

 

 

 

=========================
 

 

 「さて、この詩の2つの文はよーく似てる。でも、ちょっとだけ違う。どこが違う?」

 

 生徒「太郎と次郎」

 

 「せやね、ここの名前が違う。極端に言うと、「たろう」の「た」と「じろう」の「じ」、一文字ずつ違うだけ。だからよく似てても、くり返し法じゃなくて対句法。そして、対句法だから、とても意味がある。『雪』っていう題名やから、作者は『雪』を表現したかったんやろね。この雪って、どんな雪やと思う?嵐みたいな雪やろか、それともそっと降る雪やろか」

 

 生徒「静かな雪…かな」

 

 「うん、多分、そうやろね。『眠らせ』という言葉が、優しいよね。そして『太郎』も『次郎』もそれぞれの家で眠ってる…みんな眠ってる、静かな感じが出てると思うねん。これ、『村中を眠らせ、村中の屋根に雪降りつむ』だったら、ここまで優しい感じは出ないんじゃないかな。人の名前を使って、対句法にすることでひとり一人の眠ってる姿がイメージできる、そんな効果を三好のオッちゃんは狙ったんちゃうかと思います。この詩はよく出てくるので、覚えておこう。対句法を使った名作やね」

 

 

 

==========================

 

 この対句法で、もう1つ井上ひさしの「なのだソング」を配ることもあります。
 
 雄々しくネコは生きるのだ
 尾をふるのはもうやめなのだ

 

 失敗おそれてならぬのだ
 尻尾を振ってはならぬのだ

 

 女々しくあってはならぬのだ
 お目目を高く上げるのだ

 

 凛とネコは暮らすのだ
 リンとなる鈴は外すのだ

 

 獅子を手本に進むのだ
 シッシと追われちゃならぬのだ
 
 (以下略) 

 

 ……と、面白い対句になってるんですね。この後に出てくる「のだのだのだともそうなのだ」あたりを読んでると、子どもも一緒にテンション上がってきます。私はよく子どものノートに「やるのだ猫」というイラストを描いてたのもあって、朗読すると盛り上がる詩の1つです。

 

Neko2  
 小中学生の教え子は、テストの端や提出ノートに100%描かれてるはずです。
 男子の落書きによって、しばしば悲惨な目に合わされてました。

 

 

 余談ながら「やぎさんゆうびん」の曲ってエンドレスですよね。終わりを知ってる人がいたら教えて下さい。生徒は「どっちもお腹がパンクして終了」なんて酷いことを言ってました。

 

 

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2007.04.20

「詩の授業・実況中継(1)」~詩ってナンだ?

 今年は個人的に添削をしていたので、灘中の問題をたくさん解きました。いいですねぇ、詩を出す学校。

私は詩の授業が大好きです。最初に詩の定義めいたものを教えます。それから、詩で問題を作りやすい表現技法などの「覚えるべきこと」を教える。後は鑑賞問題をやりながら、問題を解くコツを指導します。

久々に実況中継を書いておこうと思います。


==================


「今日から詩やるでー。まず、君らは自分はこれが好き!とか覚えてる!って詩あるか?」


※ほとんど「好きな詩」を持っている子はいません。
 せいぜい、学校でやった詩程度です。


「そっかー、おらんかー。でも、詩って君ら毎日のように触れてるねんで。えーっと、スーパーの魚売り場に行ったら、アホみたいに流れてる音楽あるやろ。歌える人、ハイっ!」

生徒 「さかなさかなさかなー♪さかなーをたべーようー」


「そうそう、その歌な。あれ、歌のメロディー無しで読んでみるで。『魚 さかな サカナ 魚を食べよう』…ほら、詩やろ」


生徒「ほんまや」


 「じゃあな、先生の好きなこの歌でやってみよう。『千と千尋の神隠し』って映画があったやんか、あの最後に流れる曲。『呼んでいる 胸の どこか奥で いつも心踊る 夢を見たい~♪』ってヤツな。ちょっと全部読むで。あ、それから『らららんらら~♪』のとこはちょっと省略。

 ※一通り読む。

 さて、今読んだのは、普通の話し言葉から比べるとどういう点が違うと思う?」


生徒 「文が短い」「繰り返しが多い」「普段使わない言葉を使う」
※出ない時は誘導します。

「せやな、ちょっと普通の話言葉より、リズムやたとえが凝ってるねん。それに省略が多いから『作者はナニが言いたいんやろ?』を考えながら読まなあかんねんな」


==《落書き用板書》=============

 こなごなに砕かれた 鏡の上にも
 新しい景色が 映される

=======================

 「これは2番の歌詞なんやけど、読んで字のまんまの『割れた鏡にも景色が映ってる』だけの意味じゃないと思うねん。めっちゃ難しいと思うけど、詩を書いた人の伝えたいことをがんばって考えてみよう。この歌の題名って『いつも何度でも』やっていうのもヒントかなぁと思うし、実際に入試問題で詩が出る時も、タイトルは作者が一番言いたいことと関係あることが多いねん。

 『こなごなに砕かれた鏡』って、どんな感じがする?プラスのええイメージか、マイナスの悪いイメージかだけでも考えてみよう。どっちやと思う?」


生徒「めちゃくちゃな感じがするから、マイナス」


「そうやな、もう割れた鏡ってもどらへんし、『こなごな』って漢字で書いたら『粉々』(書く)やん!粉みたいに割れてしまったたら、直すの無理やんな。でもな、この詩を書いた人は『その上にも新しい景色が映される』って書いてはるねん。『新しい景色』ってプラスかマイナスかどっちやと思う?」


生徒「プラス!」


「そうそう、ポイントは『新しい』ってわざわざ形容詞がついてるところやね。もうダメになった鏡にだって、新しい景色が映されている。ダメだ!と思った時でも『いつも何度でも』新しい気持ちでやり直そう、そういう意味があるんちゃうかなーと思います。


 今はこの部分だけ取り上げたから、そういう『あきらめずにやり直そうぜ』みたいな詩に読めるけれど、もっともっと詩の世界というのは受け取り方が自由なものだから、『ここが好きやなー』『この言葉、自分の気持ちに合うなー』というのをたくさん見つければそれでいい。

 ただ、入試にはやっぱり出るやんか。今のところは、先生がもしこの詩で問題を作れって言われたら、ここを問題にできるなと思ったところ。そういう『部分的な読み取り』が出やすいので覚えておいてちょうだい。


 最後に、先生がこの詩で一番好きなのは『ゼロになるからだ』っていう言葉やねん。今はこうやってチョークも持てるし、しっかり立ってられるし、宿題忘れを怒鳴れるし、自分の身体があるから色んなことできるけど、どんなにがんばって長生きしたい!死にたくない!って思っても、最後にはこの身体がキレイに無くなる日が来るねんなーと思ったら、大事にしよっかなと思うやん」


生徒「骨は残るやん」
※過去に、こういう屁理屈小僧がおりました。

「そーや。骨は残るけど、お墓の中の骨がチョーク持って授業したら恐いやろ(笑)。骨になったら、なーんもできへんやんか。やっぱりそれは『ゼロ』なんやと先生は思うで。だから○○(発言した生徒)も、今の自分の身体を大事にしてな。


 さて、詩ってこんなに短いくせにめっちゃ意味が隠されてて難しい。でも、だから面白い。普通の文章で言っちゃうと『春になって雪が解けました。雪で家に閉じ込められていた村中の子どもが、喜んで外で元気に遊んでいます』という内容が、世界で一番短い詩と言われてる俳句になると『雪解けて 村いっぱいの 子どもかな』ってめっちゃシンプルになる。でもこの方がカッコいい。

 だから、詩にはカッコよくするための『表現技法』ってのがよく使われているので、これを覚えよう。入試にも出るから、しっかりノートに写してちょうだい」


==========================

 …という流れで、表現技法に移ります。最初に詩の分類を教えていた時期もありますが、一番面白くないため、詩を嫌いにさせそうで後に回しています。

 この「いつも何度でも」は、ここ10年の日本の音楽市場に出回った歌詞の中で、もっとも深く美しい詩だと個人的に思っています。映画が公開された夏、ある商店街でこの曲が流れ始めると、子どもたちが合わせて歌いだしたことがありました。なんて美しい夏だろう、と思ったものです。


 「生きていく不思議 死んでいく不思議」

 たった2つのフレーズにこめられた奇跡。
 

 人生の一回性に気づかずに他人を傷つけ、貴重な日々を無駄に過ごしていることにハッとさせられます。子どもにそこまで教えるのは難しいのですが(思想の誘導にもなりかねないですし)、「人生は一回しかないんだ」というメッセージを伝えられたらと思って、導入に取り入れていました。


 後は子どもが喜ぶだけの詩のプリントってのがありまして、面白い詩を集めたものを配ってみんなでゲラゲラ笑って読んでました(今は著作権がらみで、こういうことが本当に難しくなりました)。特に、子どもたちは谷川俊太郎の「なんにもいらないばあさま」が大好きで、ぐるぐる繰り返しっぱなし。

 言葉遊びとからめた創作の授業もあるので、また書いてみたいと思います。
 ひとまず次回は「表現技法」の実況中継を。


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2007.02.07

私論:受験国語に解法ナシ。

 
 先日から、作問の仕事をいただいて苦しんでいます。苦しみながらふらふらと本屋の受験コーナーに出向くのですが、そこに溢れる「○○式」などの参考書を見て強く抱いたのは「果たして自分の国語読解の指導法とは何だ?」という疑問です。

 

 

 それから今までずーっとやってきた授業を反芻していましたが、私の指導法にはやはり法則は存在していません。 前にも書いた「トレーニング式国語学習法」「ながら解き」といった「勉強やテストのコツ」はルール化できても、読解法に関しては法則化はどうしても無理だという結論に落ち着きました。

 

※「○○の法則」を全否定するわけではありません。優れた先生が経験の上で導いたものを活用するのも、有効な手段の一つです。

 

 

 

 

  私は授業の最初の時期に、こう言うことがあります。 

 

 

  「私と同じ思考回路になれば、受かる。同じ頭にしてやるから、解説を必死で聴け」 

 

 

  恐ろしく傲慢に聴こえますが実際のところ早い子で10回、遅い子で20回私の解説を聴けば、同じ思考回路で問題に取り組むように仕上がってきます。 
 

 

 だから授業は、基本的に頭から読んで文章と設問を行ったり来たりします。悠長に論の流れを黒板に整理するなんて手間は取りません。

 

 

 新しい文章がここにある。
 頭からガリガリ噛み砕いていって、設問にぶち当たる。
 これは今解くべき問題か、後に回すべき問題か。
 思考を繰り返しながら、文章の本筋を見失わないように読み進める。 

 

 

 これさえできれば、どんな文章が出てきたって怖くない。
 受験校の問題傾向がそれぞれ違っても、大丈夫。
 読めれば解ける、解ければ受かる。それだけのこと。

 

 

 よって「私はこの問題をどう読んでどう正解を出したか」という思考の流れを、問題を解くのに使える時間(大問1つで20分程度)を意識して教えるのが私の指導の基本です。しかし、私と彼らの間には「語彙力」「経験」「知識」の差が横たわっています。

 

 
 語彙力に関しては道具ですから、漢字テストや語彙の確認を別枠で徹底的に行います。小学生だと、習った言葉をしばらく使わせるキャンペーンを実施し、短文や会話の中で使いこなせる指導をします。また知らない言葉が出てきても、漢字をバラしたり前後から推察して判断する訓練も並行して行います。

 

 

 小説1つでも伊達に年を重ねていないワケで、さまざまな別れや幸福感を知っている私と同じ思考回路にするには、解説の中で痛いほどの擬似体験をさせなければなりません。だから小説を解説する時は、わざと情緒的かつ感情的になります。 

 

 逆に論説文だと、地理・歴史・現代社会・科学など多方面の知識がないと読みこなせない文章があります。読解問題なので知識が無くても解ける部分もありますが、それでは本当にその文章を理解したことにならない。そこで、知識を与えながら解説を進めていく。

 

 
 そこで解説には「解くべき時間(20分)+α」の時間がかかるのです。
 ※この「プラスアルファ」の時間が年々長くなることには、危機感を抱いています。

 

 

 

 どんな難解な文章でも、情緒的な小説でも。
 問題文に向かって読んで理解をし、設問の真意を見抜いてミスをしないように解答をする。

 

 

 受験国語をやっているのでこの「設問に答える」作業が入るだけで、本来は「文章の意味を正しく理解する」ことができれば国語の学習としては十分。次のステップとして、自分の視点で文章に対する意見や感想を書けるようになれば言うことはありません。

 

 
 それを実現するには、できるだけ問題文に当たる時「何の話だろう?」とワクワクして読む意識が最初の一歩になります。
 

 

 私自身が、新しい問題に当たる時にいつも普通に「読み物」という意識で入ります。
 そうすれば「内容を理解したい」という気持ちが自ずと湧いてくるから。

 

  
 私の授業は「読んで、理解して、解く」という私自身の体験を、生徒に疑似体験させることです。
 

 

 だから早い段階で授業(=文章の世界)に引きずり込んでしまわなければ、全く効果が無くなります。特に小学生相手では、脳内に風景が浮かぶ授業というのを意識してやっていました。

 

 当てて子どもたちの発言を引き出し、その思考の流れが「解釈」として面白ければ褒めつつも、「正解」を出すのに間違っていれば正しい思考の流れを教える。合間にたくさんの小さな課題と、褒め言葉と、豊かな感情と知識の世界を散りばめて共にゴールに向かう。

 

 この「王道」の先生は学校にも塾にも多いので、飛び道具(○○の法則といったルール)が出ないからと言ってバカにしちゃいけません。一度、真剣に「同じ思考回路を持ちたい」と思って聴いてみるといいと思います。

 

 

 一見、得点に直結しないように見えますが、
 それはおそらく“一生の宝”になるから。

 

 
 自分がどれだけその宝を与えられたかについては、自問自答の日々です。
 

 

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2006.11.04

擬態語/擬音語をマンガに学ぶ。

 私は授業の中でドラえもんを引用することがあります。例えば「媚(こ)びる」という言葉の意味を教える時、「スネ夫のジャイアンに対する態度」というと子どもがいっぺんに理解をしてくれる。共通体験として本当に役立つロングセラー漫画だと思っています。


 去年、臨時で中1の冬休み講習に出た時「擬音語」と「擬態語」の違いを教える場面がありました。ここでもドラえもんは大活躍です。


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 擬態語や擬音語の「擬」は「模擬試験」の「擬」。「模擬試験」ってことは、本番のテストを「真似して」作ったテストやんな。だから「擬」の字には「真似をする」という意味がある。…ってことは、擬語は「ものの状を真似して作った言葉」

《板書》

 シャボン玉がふわふわ飛ぶ。


 この「ふわふわ」は、シャボン玉が頼りなく飛んでいる感じを真似して…というかがんばって言葉で表現しようとイメージして作った言い方やね。「ふ」と「わ」の組み合わせで、シャボン玉が空に浮いてる映像が浮かぶやろ。この「ふわふわ」って擬態語、よくできてると思わへん?

「シャボン玉がびゅんびゅん飛ぶ」ではちっともシャボン玉の飛ぶ感じを真似てないやろ。じゃあ、「びゅんびゅん飛ぶ」でイメージできるのは何が飛ぶ時やろ?…そうやね「ボール」とか「鉄砲の弾」とかそんなんかな。

 じゃあ擬語に行こう。擬語とも言うから、両方覚えておいてな。これはを真似して作った言葉」。猫の鳴き声は何ていう?…「ニャー」やね。猫が鳴いてるのを今度、もう一回ちゃんと聞いてみてな。よっぽど声の悪い猫やなかったら「ニャー」に近い発音で鳴いてると思うで。


《板書》

 机をトントン叩く。


 これは「コンコン」とか「コツコツ」でもええと思うけど、そういう音するやんな。机をちょっとたたいてごらん。(生徒に叩かせる)おっと、○○みたいに、力がいっぱい叩くと「どんどん」って音になるな。

 これは今まで日本語を使ってきた人たちが作ってきたものやから、もし文章を自分で書く時には「机をボンボンと叩く」とか勝手に作ってもええねんで。聴こえた通りに書いてみて、人にもそうやなぁ、って思ってもらえたらそれでいい。

 さてここまでで「擬態語」と「擬音語」をやってんけど、この2つの見分け方は「ホンマにそんな音がするかどうか」で見分けるねん。


《板書》 

 (1)ママがガミガミ叱る。
 (2)のび太がうわーんと泣く。
  

 この2つの文で、ホンマにそういう「音」がするのはどっちや?そうそう(2)の「うわーん」やな。思いっきり大声で泣くとき、「わーーん」とか「うわー」とか言ったことないか?これが擬音語・擬声語やね。(1)は「ドラえもん」で怒ってるママの横に「ガミガミ」ってよく漫画には書いてあるけど、ホンマに「ガミガミ、ガミガミ!」って言ってたら…ママどうしちゃったんやろ、って思うやろ(笑)。

 これは「のび太、あんたはどうしてまた0点を取って!しっかり勉強しなさい」とか何とか言ってる「ママが怒って話している状態」を真似して作った言葉なんやね。だから「ガミガミ」という音は聴こえない。途切れなく叱る様子を真似している言葉だから、擬態語。

 だからいっつも「音がしてるか?してないか?」で考えてな。

 はい、「犬がキャンキャン鳴く」は擬態語?擬音語?
 生徒A「擬音語」
 じゃあ「お父さんのお腹がたぷたぷゆれる」はどっち?
 生徒B「擬態語」
 
 ウチのオトンのお腹はホンマに「たぷたぷ」って音がなるでーという子がいたら教えてな(笑)。普通はないな。これは「柔らかくゆれる状態を真似して作った言葉」やね。だから擬態語。ちょっとわかってきた?

 最後に、これはしょーもない話やねんけど、ドラえもんの漫画の中でこういうの見たことないか?

 
 (黒板に「ホゲー~オエー~」と書く)


 これってどんな時に出てくるか知ってる?

 生徒「ジャイアンのリサイタル!!」

 そうそう(笑)。ジャイアンが土管の上でリサイタルを開くやんか。ほんでみんなが耳ふさいで苦しんでるやろ。でもな、テレビでドラえもん見たら、ジャイアンって「おーれーはジャイアーン、がーきだいしょー」ってちゃんと歌ってんねん。

 じゃあ、あの漫画の「ホゲー~オエー~」は「擬態語」か「擬音語」のどっちやと思う?

 ちょっと難しいかな。ジャイアンは普通に歌ってるつもりでも、あんまりにもヘタなんで、聞こえる方には「ホゲー〜オェ〜」としか聞こえてない。つまり「ジャイアンの歌声」を真似して作った「擬声語」「擬音語」になるねん。


 最後のはオマケやとして、とりあえず今日は擬態語と擬音語の使い分けを覚えてちょうだい。それから宿題で、次の文のカッコの中に自分で擬態語と擬音語を考えてきてな。


 《板書》
  
 ・星が(        )かがやく。〔擬態語〕
 ・雨が(        )降る。〔擬音語〕


 星が光る様子、雨が降る時にする音を思い出して作ってみてください。最後に「お腹がぐーぐーなる」と「ぐーぐーとなる」のどっちでも意味が同じやから、「と」をくっつけてもええからね。

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 このジャイアンの歌の話から、以下のサイトの話をすることがありました。
 ジャイアン名言集
 http://yosktnk.k-server.org/jaian.html

 「えいきゅうに かりておく だけだぞ。」

 このトリッキーな日本語!


 今日見つけた本の中にもジャイアン猛語録があって大喜びです。

Sdora

心に響くドラえもん名言集「ドラことば」(小学館)


 




この本は、まず大人におすすめ!子どものころに知らずに読んでいた「ドラえもん」が教えてくれたメッセージの濃さに驚きます。ドラえもんに出てきた名言がたっぷり収録されており、これはぜひコメントとセットで読んでもらいたいのでここでは紹介しません。

1つだけ、今の私が挙げるとすれば

 「道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ。」

 ジーンマイクで言われたように、胸がギュギュッと痛くなりました。大人になると「要領よく成果を出す方法」「できるだけ傷つかない方法」ばかりを追求してしまうものかもしれません。色んなことに逃げ腰だった自分が、恥ずかしくなります。その一方でのび太の「いっしょうけんめい のんびりしよう」というセリフに、「そうだ、そうしよう!」なんて思っている自分も(笑)。

 子どもが読んでも、大人が読んでも必ず何か心に残るセリフがあるはずです。

 合間に入っている辻村深月さんという若い作家によるエッセイも素晴らしく(中でも「コンピュータペンシルは使わない」は出色!)、またドラえもんに影響を受けた読者のメッセージも胸に沁みてきます。

 人生の機微が詰まっています。
 ぜひ、親子で楽しんでください。
 

P.S もし塾の現場にいたら「勉強カード」はぜひ使いたい! 
  
 

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2006.09.20

バベルの塔ゲーム

 ご無沙汰しています。いよいよ受験も追い込みですね。過去問をバランスよくやらせきることが大切なので、点数管理をお勧めします。以下の日記に点数表などもありますので、ご活用下さい。

 http://toto.cocolog-nifty.com/kokugo/2004/11/post.html


 最近、今までに書いたものを整理しているとかなりの量があったので、少しずつ過去の別サイトでの日記や書き溜めたものを出して行こうと思っています。私の教育論は経験則が主なのですが、参考になれば幸いです。
    
 どうぞよろしくお願いします。


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 〔過去の日記より〕 2003年ごろ


 今日は、4年生がバベルの塔の話やったんです。人間が調子こいて高い塔を作ろうとしたのに神様がムッとして、人間同士の言葉を通じなくしたら、あっという間に共同作業ができなくなり、塔は完成しないどころか人間は一緒にいるのも苦痛になってバラバラになっちまった、という話です。


 この話をわかりやすくするために、授業中にこんなゲームをしてみました。

 
 クラスの半分にだけ、「たこ焼き」→「黒板」と呼ぶルール紙に大きく書いて見せます。
 すると、そのルールを知らない他の子供たちはクラスの半分で交わされている言葉の意味がわからなくなります。


 私「ねぇ、黒板のことAはどう思ってるの」
 A 「うーん、おいしい
 
 クラスの残り半分「えー??」

 B「黒板は大阪名物やんな」
 C「僕は黒板、あんまり好きちゃう」
 私「なんで?」
 C「熱いし」

 クラスの残り半分「??」

 D「黒板は丸くって…」

 この辺で「わかった!」の声が聞こえてきます。一種の連想ゲームですね。

 今度は反対側の子に「猫」→「うどん」と呼ぶルールを見せる。


 E「おれうどんアレルギーやねん!」
 F「私はうどんを抱っこするのが好き!」
 
 私「そっかーうどんって抱っこできるんや~」
 F「うどんはなでると喜ぶで」

 この辺で大爆笑。生徒の頭の中にはまだ「うどん」の画像がそのまま残っているので、うどんを抱っこしたりなでている映像が頭の中で炸裂して大笑いになってしまう。もちろん、私も(笑)。

 
 他にも、M先生とちょっといかつい男の先生がいたので「ケーキ」→「M先生」と呼ぶルールを作ってみた。

 私「M先生っておいしそうだよねー」
 「僕はいちごの乗ったM先生が好き」
 「M先生って100円で駅で売ってたよ」

 
 生徒はゲラゲラ笑って楽しそうだ。
  

 しかし、帰り際、当のM先生(当時20代)に生徒がたかって「国語の先生が『M先生を食べたい』って言ってたでー」と報告していた。 オイ(怒)。セクハラになるやんか。

 
 このゲームをやると、「相手の使っている言葉の意味がわからない」じれったさを感じるようです。私はこんな言い方で説明していました。

 「相手の言ってる言葉がわからへんと、イラっとするやろ。言葉をたくさん知ってる方が、人と話してても楽しいやんか。今日みたいに『え?何の話してんの?』ってならへんように、知らん言葉が出てきたらすぐに質問したり辞書引いたりして確かめるクセつけてや」

 
 小4なのでこのレベルに落として話していますが、大人になると商談の場面などで「言葉の数が豊富な方が、主導権を握れる」と感じます。その業界で勝ちたければ業界用語を熟知し、かつその言葉の意味を相手のレベルにあわせて使い分けるスキルが必要です。(営業相手は同業者ばかりとは限らないので)

 「言葉の力」は現代社会では「生きる力そのもの」だと、私は思います。
   

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 国語や教育に関する質問もお寄せ下さい。保護者・生徒・講師の方でも構いません。
 ただし、匿名にした上でこのブログで回答をさせていただくこともあります。ご了承下さい。
 メールはこちら

 私の回答がお役に立てるかはわかりませんが、一緒に考えるきっかけになればと思います。


 
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