2008年3月26日 (水)

男子FP感想:2008世界選手権

 イケメン祭りだワッショイ!

 ……じゃなかった、えーともかく皆さんおめでとうございます、と素直に言いたくなった男子表彰台。何でしょう!あのイケメン揃いの最終グループ!!殿っ!敵前逃亡は賢明なご選択でありましたぞっ!>無礼者

 えーっと、そうではなくて。

 結局、ベルネルと大輔は「青いケツ対決」に過ぎなかったと証明された、これぞ世界選手権。久々のリアルタイム観戦、出てきた高橋大輔の脂汗にイヤな予感がビシバシ的中。真央嬢と正反対で心底残念だったのが、あの“モロゾフ作・鬼畜ステップ”で拍手がまばらにしか起きなかったことだ。大輔がステップで盛り上げられないというのは、本当にバテバテだったんだろう。

 しかも、ザヤック・ルール(同じ種類やコンビネーション・ジャンプ跳び過ぎ制限)に引っかかって大失点、コンビにしなかったら+6点で銅メダルだったのに1点差のウィアーに負けて4位で終了とは、ザヤック・チョンボがお得意な殿の呪いは海を越えてスウェーデンまで届いたらしい。
>これ以上書くと手討ちにされそうだ。

 でも、どうせ日本のマスコミは金以外認めないんだろうし、真央嬢が取ってるから霞んじゃうし。中途半端に表彰台上るくらいなら、いっそ4位で彼にとっては幸いじゃないだろうか。

 お陰でジョニー・ウィアーも星条旗を背負っての苦節の日々に、1つの区切りをもらえたワケだし。ホント、トリノ以来ずっと苦しかったんだと思う。“オネエ滑り”と評していた滑らかなスケーティングに4回転ジャンプを備え、男フェロモンを漂わせはじめたジョニー君に「女子シングルは終わったよ」なんて2度と言いません。おめでとう。

 そしてラスト2人。
 めちゃくちゃ興奮した。

 今期これまた苦戦気味だったジュベールが、4回転ジャンプをきっちり決める。私の尊敬するカート・ブラウニングの指導の下にステップや表現力も「魅せる」技術がついていた。演じきって最後のガッツポーズ、おいおい氷にキスはまだ早いんちゃうかと思っていたら、案の定。10分後にはバトルの演技を見て顔面蒼白

 試合後にバトルに向かって「4回転も跳ばないのに優勝なんてひきょうだ」と言ったとか言わないとか、ジャンプは豪快なのに小物っぷりを露呈してガッカリさせてくれたが、ジェフリー・バトルの確実でスウィートなスケーティング(氷にとろけるような、優しく美しいスケーティング)や高難度のスピン、そしてSPとFP両方でガッチリと点を取りきった点は文句のつけようがない。今期これまた苦労していたようなので、本当におめでたい。もしかしたら4回転を跳ばないで優勝した最後の男子選手になるかもしれないが、逆に言えば「スケートの本質」を教えてくれた意味で貴重な勝利だったと思う。

 スケートは陸上でありえない動きができる。だから、音楽に流れるように乗ってほしい。ジャンプもいいけれど、スケーティングが綺麗×音感がいい選手は大好きだ。

 この辺がオススメかと↓

 Jeffrey Buttle ―River
 http://www.youtube.com/watch?v=kr-SdShk7B0

 Jeffrey Buttle ―  Ave Maria
 http://www.youtube.com/watch?v=lpGB35cq-Os

 SP首位で最終滑走、前の2選手がほぼノーミス。そのプレッシャーたるや、想像しただけで絶対にスケート選手なんてなりたくないと身震いがする。

 滑り終わって、感極まる青年。
 やっぱり、フィギュア・スケートはスポーツだと実感する。
 
 表現者でありながら勝負師であることも要求される、なんて厳しい世界なんだろう。

 あぁそれにしても今年はイケメン祭りだワッショイ!……じゃなくて、各選手の個性が活きた本当にいい試合だった。来年は、青いケツ脱出×2名+殿の復活でさらに盛り上げていただきたい。腐るな高橋、世界ランク2年連続1位なんて素晴らし過ぎる。ヒップホップは永遠に。名プログラムをありがとう。

 《余談》

 個人的には、今年もランビエールの「ポエタ」が見られて大満足。いいんです、転んでも。転倒シーン以外はどこを撮っても絵になる、芸術性だけでいけばパーフェクトなプログラムだった。今年のヨーロッパ選手権が良かったみたいなので、メモ代わりに。
 
 http://www.youtube.com/watch?v=ui9e6HEuQsc
 
 カメラワークが引き気味なので、今回のと合わせてアホほど観ると思います。

 

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2008年3月22日 (土)

真央嬢に感謝をこめて。

 真央伝説、第3章終了。(=シニアデビュー3シーズン目)

 過去に「1試合2回トリプルアクセル」だの「5位からの銀メダル」だの色々やらかしてくれているが、今回のは悲鳴と歓声が錯綜するトンでも試合だった。きゃーーーっコケたぁぁぁぁ!(思い出し悲鳴)。

 その体と精神面へのダメージ、通常ならグダグダに終わっても仕方がない。もういいよ、真央ちゃん、世界一は来年にお預けで……と思っていたら。

 その後の3-3。 

 ぎゅるるるんっ!と音がしそうな回転の速さとキレ。その後もやたらジャンプの質がいい。スパイラルのポジションの良さ。天井から一本の糸で吊られているような、スピンのまっすぐな軸。

 何よりも、ステップ。

 もう「幻想即興曲」は、浅田真央のバージョン以外は考えられない。鍵盤を駆ける指を拾うかのような細かいステップ。全身を使って音楽を表現する。興奮した観客席から、自然と拍手が沸き起こる。

 トリプルアクセルが無くても、勝てるプログラム
 それは世界最高難度の技を詰め込んだ、厳しい体力を要求するもの。

 浅田真央は、究極のところ「体力」がどの選手よりあるのかもしれない。ヘロヘロになったところを、あまり見たことがない。難しいことを簡単にやってるように見えるのは、そこに体力に裏打ちされた「余裕」があるからだ。安藤美姫のプログラム後半が、いつもガサついたりモタついたりしてるのは体力の問題が大きい。

 そして、彼女の優勝を支えたのは「芸術点」だったということ。芸術点!あの2年前は、お手手ヒラヒラ幼稚なお遊戯だった真央ちゃんが!表現力を仕込んだタラソワおば様に、抱きついて感謝したいほどだ。

 正直なところ、SPの時は「欧米人にはファースト・インプレッションで負けるよなぁ」と思ってしまった。真央嬢は今年、手足がスラリと伸びて美しくなった。体も柔らかくなった。でもコストナーが黒のパンツ姿でキリキリ踊るのを見てると、“洗練”という意味では勝てない気がしていた。

 でもFP直前の真央嬢は、後光が射していた
 菩薩チックというか仏像風味というか。
 
 頬が紅潮して、眼光は鋭く、圧倒的なオーラが出ていた。
 この子、多分、もう競技中にガッツポーズしないだろうな。
 
 ※多分ですよ。しっとり大人だと思っていたマリア姐さんの例もありますから。
  http://www.youtube.com/watch?v=zYvVzNZNE4E
 
 プログラムをこなすだけでなく、音楽と共に湧き上がる衝動をステップに乗せて発散させる。ジャンプの天才は、タフな競技者であると同時に紛れもない表現者になっていた。だからフィギュアスケートは面白い。
 
やっとなんですよ、やっと
天才天才言われてマスコミが大騒ぎして。
間にスケーターとして難しい成長期を迎えて。

結局、世界一になれなかった選手はたくさんいる。
※サーシャ・コーエンが脳裏をかすめたり。

 期待通りに勝つことの難しさ。
 試合の格も緊張感も違う。あっさり勝てる試合じゃない。

 勝ったんだよ!やっと!!
 世界中のスケートファンが「Mao Asada」を心に刻むんだよ!

 「2008年のワールド、優勝は真央だったわね」
 「そうそう、あんなに派手にコケた後、3-3を2回も入れたのよ!クレイジーだわ!」と。
 ※欧米人イメージ中。

 真央伝説の第3章は、アスリートとしての彼女の成長を見守ることができた幸福な1年だった。海外の選手だと、世界選手権で1年ぶりに見て「うぉっ、確変起こしてるっ!」と思うようなことが多かった。今年は、しょーもない試合や特番まで延々と流してくれたため、大好きな「幻想即興曲」が磨きぬかれていく過程を楽しめた。四大陸がベストだったかもしれないが、世界選手権のステップは永久保存モノだ。

 日本中のプレッシャーを受けて、本当に優勝してしまった。
 
 ありがたや、真央菩薩
 伝説はどこまで続くんだろう。
 

 同時に「美姫・トラブル伝説」と「友加里・ど根性伝説」が刻まれた大会でもあるのだが、そのあたりはまたいずれ。嬉しかったのはキム・ヨナの追い上げだ。スケート史に残るであろうライバル伝説も、確実に続いている。来シーズンも、また見たい。できれば2人とも万全のコンディションで。

 

 《余談》

 使えない国分は今年はTOKIO軍団のサポートもなく、できるだけ発言(=邪魔)をしないという存在意義が際どい感じでこなしていた。それより、実況のポエマー塩原を首にしてくれ!

「究極の美を求めるクリスタルエクスプレス」???
6分間練習の時の衣装がキラキラしてたからテキトーなこと言っただけやろ!

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2008年1月23日 (水)

年末年始のスケート。

あれこれ見過ぎて記憶と感想が散漫に。
思いつく限り箇条書きに。

(1)グランプリ・ファイナルの真央VSヨナのライバル対決に興奮。

 真央嬢が表現力をつけてきたことで、わりとタイプの似た選手同士の対決になってきた。その差は微妙で甲乙つけ難い。ヤグVSプルも表現力、ステップ、ジャンプとどちらも凄かったので差がつけにくく、プルシェンコの男ビールマンが際立ってたぐらいのもの。こうなると精神力の戦いになる。

 無論、真央嬢のトリプルアクセル炸裂すれば話は別だが、全てのジャンプの幅・キレ・助走~ジャンプ~ランディングの流れの美しさでユナ嬢のクオリティは素晴らしい。「ここまでやらなきゃ勝てない」プログラム、真央嬢のほぼパーフェクトのフリーに涙。

 エキシビの待ち時間にリンクサイドで雑談してる彼女達を見て、クワンとスルツカヤが仲良しだったことを思い出した。優れたライバルがいるという幸運な時間を共に過ごして、名勝負を山ほど見せてほしいと願っている。

(2)グランプリ・ファイナルのキミーのSPでクワンを思い出す。

 フリーは「トゥーランドット」、ショートは「この曲めっちゃ知ってる」とクワンのスケーティングが脳裏にチラチラ。

 クワンの試合の中で最高レベルの2003年、世界選手権のショートプログラムと同じ曲だった。

 Michelle Kwan - 2003 Worlds SP
 http://www.youtube.com/watch?v=YDTYqmcDFpM
 ※このニコリともしないスパイラルに、彼女の本気を感じる。

 ついでにフリーも。

 Michelle Kwan 2003 World Championships
 http://www.youtube.com/watch?v=VfluAux0Sf0 
 ※アメリカ開催のこともあり、観客のテンションとクワンのパフォーマンス、音楽が渾然となって何度見ても陶酔する。ショッピングモールの電化製品売り場でコレを見て、人に見つからないように涙した不死鳥・クワンの真骨頂。パーフェクトってのはこういうことだと見せ付けられる。

 こういう強烈な試合を喚起させる曲に甘えないで、優等生・キミーはもっと個性的な方向性を見出すべきだ。
 
 ●妖精ポジション=浅田真央、カロリーナ・コストナー、キャロライン・ジャン
 ●女優ポジション=キム・ヨナ、中野友加里
 ●悪女ポジション=安藤美姫
 ●アメリカン・ガールポジション=エミリー・ヒューズ
 
 どっか空いてるとすれば、荒川静香が抜けた後の「クール・ビューティ」ポジションだ。あんまりそういう顔でもないが、がんばってくれ。

(3)グランプリ・ファイナル、そういや大好きなランビエールのこと忘れてた。

 去年「もう一年滑ってくれ」と切望していたフラメンコで登場。高橋大輔がぐいぐい成長してるので彼の方が上でも良かったが、ベルネルと青いケツ同士(イメージ)で2位争いをしているレベルじゃなく、高橋大輔がランビエールと争って当然のトップスケーターになったことを痛感。

 しっかし、いい男だねぇ>ランビエール。

 セーター着てで暖炉の前で語ってる、ハニカミ男子っぽい映像も好み。 

(4)キャロライン・ジャンのエキシビに萌える。

 スクール水着のようなシンプルな衣装で、滑る気持ちよさを全身で表している。そう、若い選手が出てくる度にいつも思う。これから色んな報道や駆け引きやプレッシャーが山盛り押し寄せてくるだろうけど、スケートを嫌いにならないで、と。

(5)殿の敵前逃亡。(=織田信成、全日本欠場)

 確かに今年の高橋大輔はもはや「別次元」ではあるが、若君の出陣を心待ちにしていたファンもおりますのでぜひ早いご復活を。

(6)全日本、太田由希奈がちゃんと出場。

 情報が入らないのでまた休んでいるかと思ってたら、出場していて一安心。大学が同志社から法政大学に変わっていた。技と技の間のつなぎ、エモーショナルな滑り、これでジャンプさえ安定すればなぁ(ため息)。

(7)全日本、真央の妖精劇場に魔女・安藤美姫が立ちはだかる。

 真央嬢の完璧なショートプログラムを永久保存決定、惚れ惚れしていたらフリーではモロゾフに捨てられかけてた安藤美姫が大復活。ヒールの役割をきっちり果たしてリンクを支配、今期初めて「カルメン」の姿が見えた

 要所要所で真央伝説を邪魔(それは逆に言えば「美姫伝説」の輝かしい1ページでもあるのだが)するために、絡んでくる。こうなると、世界選手権が楽しみだ。逆境から何度も立ち上がってくるところ、スポーツマンとして見ていて面白い。

(8)ジャパン・スーパーチャレンジとスターズ・オン・アイスと。

 あれ、実は「ヤグディンVSプルシェンコ」だったんだと思い返す。前者に出てたプルシェンコ、ちょっと太りすぎ。後者に出てたヤグディン、髪型が坊ちゃん刈りで一瞬プルシェンコと間違えた。似合わねー。個人的な軍配は、ヤグディンがブルースで滑ったプログラムに。

アレクセイ・ヤグディン:Bensonhurst Blues
http://www.youtube.com/watch?v=dBJ7yNs1JxE
※こういう選曲はスケート向きじゃ無さそうなのに、物にしてるヤグディンの表現力はさすが。この曲の入ったCD買おうとしたら、廃盤で25,000円以上の値段がついてて断念。なんてこった。

(9)荒川静香の進化に惚れ惚れ。

 ジャパン・スーパーチャレンジでドリームガールズのサントラから「Listen」を。あぁ良かった美しかったしかも途中で3-3飛んでたすげーよ静香さん。
 ※スターズ・オン・アイスのアップテンポな曲はあまり合ってない気がした。

 解説の「スケーターとして今、一番いい時期なんじゃないでしょうか」というコメントに同意。イーグルやスパイラル、そしてイナバウアーで空気をさーっと切っていく間の取り方が涼やか。

(11)真央は大人になってません。

 「失恋の痛みを表現する、大人になった浅田真央を見てください」という触れ込みで散々見たエキシビジョン。スターズ・オン・アイスの前のインタビューで「エアロ(愛犬)がいなくなっちゃったー!という気分で滑ってます♪」と述べていた。あー、犬探してたのね、あの振り付け(がっかり)。

 エロくなった体に妄想を繰り広げていたオジさん達、真央ちゃんはまだ真央ちゃんです。

(12)ヒップホップもう何回見たんだろう。

 飽きませんけどね。
 覚えちゃったよ。

 

 スケートブームで謎の番組が増え、それはそれで有り難いけど消化不良な感じ。特に「スターズ・オン・アイス」で北大路欣也がドラマの宣伝のために借り出され、やむなくコメントをしていた姿には参ってしまった。テレ東、ナニ考えてんだ。

  

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